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異文化好き好奇心人間の世界考察ブログ

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戸田奈津子氏の誤訳騒動 翻訳者の弁明

エーン、エーン。今日は医薬品に関する文献を翻訳してたのですが、テーマが「バイアグラ」。わからないことがあったからネットで検索したかったんだけど、「バイアグラ」なんて打っちゃうとどんなサイトが出てくるかわからない。スパイウェアに侵入されて、スパムメール嵐に巻き込まれるかも、と怖くてできなかったよ~。キーワードを工夫したり、怪しげなものは絶対に開けないとかすればいいのでしょうが、アダルト系サイト名がずらっと出てくることを想像しただけで気が滅入ったので、続きは明日に・・・

と、調べ物を怠る翻訳者に一撃!ってな記事を見つけてしまいました。

「字幕翻訳家の戸田奈津子さんの翻訳に激しいブーイングが出てる」んですって?「ロード・オブ・ザ・リング」に続き「オペラ座の怪人」でも戸田氏の仕事には間違いが多く、原作が台無しじゃ~ってファンが怒ってるんだって。あ~怖ろしや。翻訳界の第一人者の彼女でさえ吊るし上げられるんなら、私なんて公に出れば何度火あぶりになってることか・・・

指摘されている誤訳箇所というのをちょっと見てきました。ま~確かに、日本語の語法に変なところはあるようで、その点については私を含めた下っ端翻訳者から戸田さんのような大物まで、しっかりと肝に銘じなければいけません。その他については・・・う~ん、そうですね~。意訳の範囲内って言えばそう言えないこともないし、そういうニュアンスじゃないかもって言えばそうとも言えるし。スミマセン。原作を全然知らないんで、わかりませんっ!

私はあんまり映画を見ないので戸田氏の作品を意識したことがなくて、氏がどういうタイプの人物なのかも知らないのですが、「字数制限などの制約があるから」と言い訳してるらしいことに対しては、同じ「字数制限地獄に苦しむ者」として「わかるぅ~」とちょっとは言いたい。よろしければマンガの翻訳、読んでやってください。

さらにですね、翻訳している側のグチを続けると(別に戸田氏を庇うわけではないが)、
「翻訳することで原作の雰囲気が損なわれてしまう」ことは、しかたのないことなんですよ。
「そんなことはない!プロであればできるはずだ!!」ヒヤーッ。矢が飛んできそうですね。
でも考えて見てください。同じ作品でも、訳者によって雰囲気違いませんか?「ライ麦畑でつかまえて」は私の愛読書ですが、村上春樹訳は読んでいません。雰囲気壊されると嫌ですから。翻訳者は誰だって原作の雰囲気を翻訳に反映させようと思っています。でも、同じ原文を読んでも読み手によって受ける印象はずいぶん違うものです。私も最初に英語やドイツ語で読んだ作品を後で日本語訳で読むと、「あれ?なんか違うな~」と思います。私のイメージと、翻訳者のイメージが食い違うからなんですね。「この登場人物の喋り方はきっとこう」とイメージしていたのと違う日本語で語らせていると嫌なんですよ。考えてみれば当然です。ドラえもんやジャイアンの声が変わっただけでも「え~っ」って思うんですから。

翻訳の障害となるのは訳者の持つイメージだけではありません。私には一冊だけ、ドイツ語の著書があるのですが、自分自身の本を日本語に翻訳したとしても、まったく同じものにする自信がありません。著者と訳者が同一人物でも、ですよ。だって言語が違うんだもん、文化が違うんだもん。100%そのものなんてありえない。翻訳者は不可能に敢えてチャレンジしているのだと、少しは大目に見てもらえないでしょうか・・・そしてたまたまドンピシャ当てたとき、「名訳」と褒めてくれよ~。

とは言え、大名作を大物訳者が手がけたとなると、「期待はずれ感」は大きく、その分怒りを買ってしまうのでしょうね。




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  1. 2005/05/10(火) 09:58:15|
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