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異文化好き好奇心人間の世界考察ブログ

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卒業プロジェクト

子ども達の通う学校の「卒業プロジェクト発表会」を見に行って来ました。

ここブランデンブルク州では、ギムナジウムの生徒は10年生(つまり日本で言う高校1年生)の学年末に「10年生統一試験」というものを受験しなくてはいけません。これは13年生の終わりに受ける大学入学資格統一試験(アビトゥア)とは別のもので、アビトゥアの予行練習も兼ねて最近導入されたそうです。

試験科目はドイツ語、数学、英語(もしくは他の外国語)の三つ。試験時間はドイツ語が150分(長いな!)、残る二教科はそれぞれ120分。モンテッソーリシューレの生徒達にも受験が義務づけられています。ポツダムのモンテッソーリシューレは現在のところ10年生までしかないので、大学に行きたい生徒は、11年生から別の高校に編入します。ですから、10年生で受けるこの試験は、言ってみれば卒業試験。

さらにモンテッソーリシューレでは、この三科目の他に「個人プロジェクト」というものがあるんだそうです。卒業生はそれぞれ自分が希望する分野で自由研究をおこないます。見に行ったのは、その発表会。

この日卒業生は、それぞれ校内の適当なスペースを与えられて、自分の展示ブースを設置します。昼間は在校生が順々に発表ブースを周り、展示を見たり発表者から説明を聞いたりする。そして夕方からは保護者が見に行く番です。

どんな風なのか興味津々で覗きに行ってみて、その雰囲気にまずちょっとびっくりしました。なんというかな。研究所の一般公開日のようでもあるし、見本市のようでもある。校内のいろんなところにあるブースに高校生がちょっとおめかしして立って、見学者が来るのを待っています。恥ずかしがっている子は見当たらず、展示の前を素通りしようとすると、「説明を聞いて行きませんか?」なんて声をかけられたりもしました。

発表の内容は、まさに様々でした。水力発電について発表した子、イヌイットの「かんじき」を研究し、それを自分で制作した子、女性の服飾史の展示をする子、物理の実験装置を作った子、バレエとブレイクダンスのコラボレーションを発表した男女コンビ、いろんな椅子を集めて来てそれぞれの特徴や歴史を説明した子。

この個人プロジェクト、まずどんなことがしたいか、計画書を作成して先生に提出し、アドバイスを仰ぐ。それから実際の作業をして、最後にこの発表をもって完結。そんなふうに生徒の一人が説明してくれました。

文字の歴史」という研究をした生徒がいました。この子は階段の踊り場が発表スペースだったのですが、踊り場の壁に世界のいろんな文字を墨で書いて、その前に立って一つ一つについて説明していました。そして、お客さん一人一人にペンを渡して、階段の脇の壁に「記念のサインをしてください。永久保存されます」と言ってました。学校の壁に記念のサインを貰う、というのも彼のプロジェクトの一部で、ちゃんと学校の許可を得ているんだそう。

机の上には、作成したレポートが置いてありました。中を見てびっくり!こりゃ~、大学のゼミレポートのレベルだよ~。A4用紙にパソコン打ちで約30枚(ドイツ語の30枚ですから、かなりの文字数です)。ちゃんと目次も文献目録もあって、論文の形式になっているんです。形式だけじゃなく内容も、大人が読んでも勉強になるものでした。う~ん、すごいっ!

10年生と言えば16歳。私、その年で論文の書き方なんて全然知りませんでしたよ。ドイツの学校では、そういうことも早くから教えるんでしょうか?文献目録を見たところ、参考にした資料は本約20冊。
「いい研究したね」と褒めたところ、本人は超張り切って、
それはどうも。このテーマに興味あります?論文は一部、学校図書室に寄贈しますから、じっくり読んでみたかったら図書室で借りてくださいね。2、3日中には貸し出し可能になるように手配しときます
だなんて、すっかり研究者気取りで言うので、思わず吹き出しそうになりましたけど。

客観的な仕事レベルで言うと、その生徒によってかなりの差はあったんですが、それぞれの生徒が自分の好きなテーマで一生懸命頑張ったのが伝わって来て、みんな、おめでとう!という気分です。

校庭にはテーブルや椅子が並べられ、手作りのケーキブッフェが用意されていて、ちょっとしたサマーパーティのようでした。ケーグラー校長は後ろにスリットの入った黒い麻のドレスで、他の先生もほぼみんなドレス姿で生徒達の晴れの日を祝っていました。

うちの子ども達が卒業するのはまだまだですが、最後の年をこんなふうに迎えるんだな~と、ちょっと楽しみになりました。二人はどんなプロジェクトをやるんだろうな~。

でもその前に、もうすぐ夏休み。子ども達との楽しい夏休みプロジェクトの季節で~す!

去年の夏は「土のクレヨン作り」をやりました。その前の年は「ハチミツ作り体験プロジェクト」と「せっけんプロジェクト」。

今年は何をやろうかな~。今、考えているのが「カプート村の植物&昆虫調査プロジェクト」。子ども達と村を歩いて、道端や森の中で見つけた植物や虫の名前や生態を調べ、その名前の学名/ドイツ語名/和名の対応表を作るつもりです。そのためにドイツ語の「植物見分け方辞典」「昆虫見分け方辞典」を買いました。学名がわかれば、ネットにそれを入れたらわりと簡単に和名が出て来ますね。子ども達が毎日いろんな虫や植物をとってきて、「これ何だ?日本語では何て言うんだ?」と図鑑を覗き込んでいるので、「そうだ。今年はこれで行こう!」と思いつきました。

そんな対応表作って、何かの役に立つのか?って聞かれると困るんだけど.....

でも、ちょっとわくわくです。





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  1. 2006/06/13(火) 05:03:15|
  2. モンテッソーリシューレ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:14
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コメント

いいぞ

役に立たなくてわくわくする。
いいですね。そういうの。
もしかして「役に立たなくてわくわくすること」を幸福というのではないでしょうか。
  1. 2006/06/14(水) 08:25:16 |
  2. URL |
  3. わくわくふわく #-
  4. [ 編集 ]

わくわくふわくさん

子どもが次々といろんなネタを提供してくれるので、退屈しませんねー。

この世に、小学生の子どもを持つほど楽しいことがあるのかと感じてしまうほど、小学生が好きです。
  1. 2006/06/14(水) 15:54:33 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

長い夏休みを前に、日本人の母親はおろか、ドイツ人の母親でさえも頭を抱えるのに、ビアンカが子供たちと一緒にテーマを見つけて、楽しもうという態度は見上げたものです。お母さんがいろいろなことに興味しんしんでいろいろやろうとするから、子供たちも好奇心一杯に生きてるんですね。私も少し、ビアンカを見習います。
  1. 2006/06/14(水) 20:59:45 |
  2. URL |
  3. とんちんかん #-
  4. [ 編集 ]

面白そうじゃないですか。
シュタイナー学校のことも、連想しましたね。それから僕が学んできた中学や高校のこともちょっと...。
  1. 2006/06/15(木) 05:02:17 |
  2. URL |
  3. michiaki01 #-
  4. [ 編集 ]

とんちんかんさん

実は子どもをダシにして、自分がやりたいだけなんだけど.....

そういえば、日本では児童館があったり、科学館やプラネタリウムなどがあちこちにあるけど、ドイツでは大きい都市以外は子どもの施設が少ないよね。その点では日本の方が夏休みの予定を埋めやすいのかな?
  1. 2006/06/15(木) 21:05:11 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

michiaki01さん

シュタイナー校、一度見学したのですが、授業が面白そうだなあと思いました。michiaki01さんの学校はどんな感じだったのでしょうか。
  1. 2006/06/15(木) 21:07:10 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

先生に向いているかも

>この世に、小学生の子どもを持つほど楽しいことがあるのかと感じてしまうほど、小学生が好きです。
こう言い切れるビアンカさんは、ただものではありません。子育てが一服したら、モンテッソーリ学校かシュタイナー学校で、先生をやりませんか?
  1. 2006/06/15(木) 21:42:12 |
  2. URL |
  3. Hiro-san #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

Hiro-san

お誘い(?)ありがとうございます。でもダメなのです。子どもと一緒に何かするのは大好きだけど、教えるのは下手で。才能がないというか、教えるには知識が不十分というか....

もしかして、精神年齢が小学生なみってだけだったりして。
  1. 2006/06/16(金) 02:50:39 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

自分が何に興味を抱いているのか考える。それから、そのテーマについて考えを深める。きっと、子供たちの考え方の方向について駄目だと言うことなく、脇から支える形で先生方がフォローしているのかと想像すると本当に羨ましい限りです。

で、夏休みプロジェクト、できることならうちの子たちの一緒に参加したい!?
  1. 2006/06/16(金) 17:15:29 |
  2. URL |
  3. RYO #-
  4. [ 編集 ]

結構ありますよ、子供向け施設

さすがに、人口密度が高いだけあって、デュッセル、その近郊の子供向け施設はなかなか充実してます。また、デュッセルの子供を持つ家庭にはFamilienkarteなるものが配付され、それを見せると、一応、割引きしてくれたりします。でも、どこも混んでるし、お金もエネルギーもかかるけど。
  1. 2006/06/16(金) 19:37:03 |
  2. URL |
  3. とんちんかん #-
  4. [ 編集 ]

RYOさん

自分がやりたいことを追求する機会が得られて、しかもそれを人に真剣に聞いてもらえたら嬉しいですよね。

きっと子ども達にとって、大切な思い出になるんでしょうね。
  1. 2006/06/17(土) 04:35:28 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

とんちんかんさん

へえ~、デュッセルドルフはすごいのね。

習い事の種類なんかもきっと多いんでしょうね。
  1. 2006/06/17(土) 04:42:28 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

いいですね

すごくいい教育方法ですね、結構アメリカにも近いものと見受けられます。 こうやって、生徒が自主的に学びたいものをどんどん研究、追求していく教育方法を見ていると、日本でほとんどの学校教育を受けた自分は、なんと受身だったのだろうか・・と感じてしまいます。 アメリカの学校で勉強したときのほうがすごく充実感ありました。
  1. 2006/06/17(土) 04:59:11 |
  2. URL |
  3. すまいる #-
  4. [ 編集 ]

すまいるさん

私がアメリカのハイスクールに留学したとき、まず最初に学校側から「自分の時間割を作れ」と言われてすごくびっくりしました。

何のことやらわからずにぽかーんとしていると、カウンセラーが「○○は好き?じゃ、それも入れるわね」と時間割作りを手伝ってくれましたが、好きかどうかで時間割を決めるなんて日本では考えられないですよね。

教育という社会にとって最も重要なものにおいても、国によって発想が全然違うんだなあと思います。
  1. 2006/06/17(土) 05:40:11 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

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