わいるどわ~るど 

異文化好き好奇心人間の世界考察ブログ

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「理屈」か「気持ち」か

フランス語はまるきりダメなんですが、こんな本を読んでみました。

日本語の森を歩いて フランス語から見た日本語学

「発話操作理論」という言語学理論に基づいて日本語を分析しているそうで、言語とは人間の外にあって、それをわれわれが符号や暗号を手渡すように他人に手渡すのではなく、発話主体である自分、そして発話の出来事の時間である現在を出発点にして、自分自身の存在を組み込んだ関係の網を構築していくのだ、と書いてあります。

これを読んだだけでは何のことやらチンプンカンプン。しかし、読んでいくうちに「それぞれの言語には、人間がどのように世界を構築していくが表れている」ということがなんとなくわかりました。

へえ~と思ったのは、こんな部分です。

「どうもどうも先日はたいそうご馳走になりまして・・・・」
「どうもどうも先日はたいそうご馳走になりまして、ありがとうございました」
この二つの文章のどちらがより丁寧か。

前者のほうがより丁寧であると、著者らは論じています。何故なら、「ありがとうございました」まで言ってしまうと、この件は「落着した」ことになってしまう。これに対し、「・・・・・・」としておけば、相手に対する感謝や負い目などが継続していることになる。

なるほど、そうかもしれません。

これを読んでふと思いついたのですが、約束の時間に遅れたことを詫びるとき、日本人は「すみません」の後に「電車が遅れてしまって・・・・・・」とだけ言うのではないかな。ドイツ人(フランス人も?)だったら、「電車が遅れたので、約束の時間に間に合いませんでした」まで言うと思います。それはドイツ語としては全くOKなのですが、日本語の場合には最後まで言わない方が「申し訳ない気持ち」がいつまでもふわふわとその場に漂っている感じがする。

終章に結論の一つとして、
「気持ち」を言う日本語、「理由」を言うフランス語
という記述がありました。

私も日頃から、「ドイツ語(欧米語?)では論理が重要、日本語では感情が重要?」と感じることが多いのです。そして、この本の以下のくだりを読んで「やっぱりそうか」と思いました。

フランスでは、遅刻したときには「すみません」と言うだけでは不充分で、遅刻した理由をはっきり述べなければならない。そうしないと、いい加減な人だと思われてしまう。

日本では逆に、理由をつけ加えると、くどくどと言い訳していると解釈されてしまう。潔く過ちを認めてお詫びした方がよい。


と、ここまでだと、「日本人とフランス人って違うのね~」で終わってしまいますが、ことはそう単純ではない。うちの場合。

子どもをバイリンガルで育てるということは、単純に言語を二つ習得させることに留まらず、状況いかんでは振舞い方をも二通り習得させることですよね。

ドイツ語を話すときには「理由をきちんと言いなさい!」と教え、日本語のときには「言い訳はするな!」と教える?子どもは混乱しちゃうかも。

うちの子ども達は理屈っぽいほうなので、あーだこーだと理由を言いますが、家ではそれを咎めることはしていません。でも、外でよその大人の人に対して同じことをやられると、かなり冷や汗~。

大人になれば適当に使い分けもできるようになるでしょうが、人格が形成される幼少期に使い分けを叩きこむことがいいことなのかどうか。論理的であることと、感情を優先させることのどちらがより望ましいか、親の価値観で躾けるほかはないんでしょうか。

しかし、親の私達ですら、いろんな文化の間を行ったり来たりしているうちに、次第に考えや感覚が変化してきますからね~。

言葉を表面的に教えることはそんなに難しくないけれど、その裏に潜む価値観をうまく伝えることは難しいです・・・・
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  1. 2006/02/07(火) 16:38:20|
  2. 言語
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:20
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コメント

私は、2重人格?

こんにちは。

難しい問題ですね。
自分でも、ドイツ語の私と、日本語の私はちょっと人格が違うような気がしています。
使い分けてると言うか。
声のトーンまでちがうかも・・・(冷汗)
両方の国のいい所が出るといいんですけどね。
何が良いかもRelativな問題ですしねぇ?
  1. 2006/02/07(火) 09:22:09 |
  2. URL |
  3. ひんきぃ #TyqeI/Mo
  4. [ 編集 ]

定住組み

うちのガキは日本を全く知らないので、そういった問題に頭を悩ますことがまだありませんが、個人的には自分が生まれ育った国の言語がその個人の人格形成に大きく関わってくると思います。そういう意味では、うちのガキはインドネシア語とバリ語で、アジア的な人格や言語表現をマスターしていくことになりますが、当然日本語のそれとは微妙に違うはずなのですが、そんな違いはいろいろな言語を学んでいく上でうちのガキに勝手に学んで言ってもらいたいと考えています。
ちょっといい加減すぎですかねぇー。
  1. 2006/02/07(火) 15:18:58 |
  2. URL |
  3. RYO #-
  4. [ 編集 ]

言葉だけじゃない

これは大問題です。我が家の場合は生活がフランスに根付いているし今後もおそらくフランスにいると思うので基本はフランス的にし、ことあるごとに「世界にはそういう風に考えない、しない人がたくさんいるんだよ」ということを教えるようにしています。小さいころから多様な視点が持てる多文化家庭の子供って大変ですがメリットも大きいと思います。私は外国とはなんのかかわりのないまったくの日本人家庭で日本で育ったため、自分の子供達がうらやましいですねー。
  1. 2006/02/07(火) 18:11:17 |
  2. URL |
  3. ふらんす #-
  4. [ 編集 ]

やばいかも

うちの息子、タイ語だけで生活しています。
学校では英語ですが。
将来、タイ人感覚の「マイペンライ」ですべてを済ます性格になったりして。
まあ、それもおもしろいかも。
  1. 2006/02/07(火) 19:58:36 |
  2. URL |
  3. Toshi@タイ #EBUSheBA
  4. [ 編集 ]

ひんきぃさん

私もそれなりに使い分けてるつもりです。でも100%バッチリ!ではないので、ドイツにいても日本にいても「ちょっと変な人」かも・・・
  1. 2006/02/07(火) 20:46:37 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Ryoさん

うちの子どもはまだ小さく、たいていのことは大目に見てもらえるせいか、私も今のところは悩むところまでは行っていませんが、この本を読んで、昔出会った人を思い出しました。

お父さんがアメリカ人、お母さんが香港人で普段はアメリカに住んでいるんですが、一年に一度香港に帰省するたびに、お母さんが「子ども達がちゃんと失礼のないように振舞えるか」と気を揉んでピリピリしているので、香港に行くのが大嫌いだったそうです。

  1. 2006/02/07(火) 20:51:23 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

ふらんすさん

うちもドイツに帰ったら、おそらく定住となるので基本的にはドイツ式で行こうかと思うんですが、日本人としての振舞い方も最終的にはそれなりに身につけて欲しいです。

贅沢かな?

  1. 2006/02/07(火) 20:54:33 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Toshi@タイさん

屁理屈男のうちの息子と、マイペンライのToshiさんの息子さんが将来出会ったら、お互いカルチャーショックだったりして。同じ日本人の血が流れているのに・・・
  1. 2006/02/07(火) 20:56:49 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

はじめまして

今までこっそりRSS機能を使って拝読していましたが、この本の話題が出たので、しゃしゃり出てきました。
わたしもこの夏帰国した際に買って、「そうだそうだ」と、うなずきながら読みました。

うちは日仏家庭で娘は四歳になります。
見た目は日本の方が強いのですが、身振り・表情はフランス人です。

日本語もフランス語を一所懸命乏しい語彙から訳して話すのですが、日本で同年代の子にその言い方したらケンカになるだろうなと今から心配です。(来年体験入園させる予定なので)

まあ、「習うより慣れろ」で大丈夫だとは思いますが。
  1. 2006/02/07(火) 23:10:45 |
  2. URL |
  3. チロリンの母 #-
  4. [ 編集 ]

中身は面白いですが

この本なかなか読まれてるんですねえ。ぼくは本の中身よりも、この本の日本語が不自然で、最後までずっと気になりっぱなしで・・・。(と、現在まで続くふわふわ感を演出)
  1. 2006/02/07(火) 23:18:08 |
  2. URL |
  3. にしお #HH7DicBs
  4. [ 編集 ]

なるほど!

どうしてアメリカ人はどうでもいい「言い訳が多いんだ!」と常日頃何かとイライラしていたあたしですが、なんだかすっきりしました。

個人的にみ言い訳は嫌いで(周りの日本人の友だちもそうです)言わないようにしているのですが、彼は「はっきり言ってくれないと困る」と、たとえそれが言い訳のように聞こえても知りたがります。反対にあたしは彼に対して言い訳は聞かない、と言って、また惑わしたり……。

面白いですね、ほんと。
  1. 2006/02/08(水) 01:42:07 |
  2. URL |
  3. アキツ #tY2oADrk
  4. [ 編集 ]

>ドイツ語を話すときには「理由をきちんと言いなさい!」と教え、日本語のときには「言い訳はするな!」と教える?子どもは混乱しちゃうかも。

物凄くよくわかります。ウチの子供に持たしかに英語では[理由」を求めますし、日本語では時には言いたいことを我慢させることも教えます。
ここに中国語がはいってきたらと思うとぞっとします。

でも子供は気転がききますね、理由をしっかりのべたあとで「でもこれは言い訳じゃないから」と付け加えます。笑ってしまいます。
  1. 2006/02/08(水) 02:28:27 |
  2. URL |
  3. Kiasu #-
  4. [ 編集 ]

チロリンの母さん

初めまして!しゃしゃり出て(!)頂いてありがとうございます。

うちの娘もドイツ的性格なのですが、彼女の場合、日本に慣れたというより、周りを慣れさせてしまったかんじです。周りの子たちは、「あの子はそういう子」と思ってくれているみたいです。
  1. 2006/02/08(水) 12:58:30 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

にしおさん

そういえば、ちょっと気になりましたね。でも、普段夫のおもしろ日本語を聞きなれているせいか、それほどでもなかったです。
  1. 2006/02/08(水) 12:59:58 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

アキツさん

言わなくてもいいことは黙ってて、ってときありますね。

浮気の告白とか・・・絶対やめて欲しいですな。
  1. 2006/02/08(水) 13:01:39 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Kiasuさん

「これは理由であって言い訳ではない」なんて可愛いですね。

中国語の言語世界ってどういうのなんでしょう。日本人よりもずっとハッキリしていそうですが。
  1. 2006/02/08(水) 13:03:46 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

いつもこのタイトルをつけるのに悩んでいます。

ご無沙汰してました。アメリカ人は確かに理由を説明したがりますが、それでもよく聞くと結構ちゃんと謝っているような気がします。謝ってから理由を言って、また謝ってとか真剣に談話分析したら面白いかなと思ったりして。でも自分の子供が日英バイリンガル環境で育って、「言い訳がましく」なったらそれはそれでしょうがないような、やっぱり心配なような、複雑な思いです。
  1. 2006/02/08(水) 20:19:09 |
  2. URL |
  3. ヒロシ #-
  4. [ 編集 ]

ヒロシさん

談話分析って面白そうですね!ドイツに帰ったら密かにやってみようかな。

日本語講座では「言い訳はしないほうがいい」というところまで教えるのでしょうか。
  1. 2006/02/09(木) 10:12:53 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

香港人のお母さん

彼女の気持ち、僕にも分かるような気がします。でも、そんなに事前にストレスにならずに、問題にぶつかったときに適応していけるような順応性を持っていれば、子供たちって意外とやっていけるような気がします。でも、そういう順応性の高さ、養っていくのが大変なんですよね……。
  1. 2006/02/09(木) 13:46:51 |
  2. URL |
  3. RYO #-
  4. [ 編集 ]

Ryoさん

うちの夫もよく言います。
「問題は発生してから解決法を考えろ。発生する前に考えてもしかたがない」

それもそうなんですけどねー。
  1. 2006/02/09(木) 17:48:15 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

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