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異文化好き好奇心人間の世界考察ブログ

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チューツマの生活

留学生としてドイツに渡ってまもなく、やはり留学生だったある日本人から一本のカセットテープを貰いました。
「これ聞いてみてよ。笑っちゃうよ」

「土曜日はインマーマン」と題された歌が吹き込まれていました。ドイツに住む(あるいは住んでいた?)日本人バンドがデュッセルドルフ市に住む日本人駐在員たちの暮らしぶりを風刺して唄った曲です。

テープがどっか行っちゃったので、歌詞を正確におぼえていませんが、
「ベンツのカンパニーカ~♪ブランドの服に身を包み~ただの買い出しに~。ベンツの~扉が開き~、流れるのは日本語だけ。ここはどこの国?ここはインマーマンシュトラーセ~♪」
とか、そんな感じ。

日本人街とも呼ばれるインマーマンシュトラーセ。その通りにある日本食料品店に買い出しに行くのに、いちいちブランド物なんか着て気取っちゃって~。ドイツ語を勉強する気なんてさらさらないんでしょ。日本語だけで生活できるもんね~。いいよね、あんたたち駐在族は~、っていう、駐在員ではない日本人滞在者の彼らに対する憧れとやっかみと多少の軽蔑の入り交じった気持ちで書かれた曲だったのでしょうか。

その曲を聴いたとき、ふ~ん、そんな優雅な人たちがいるのかあと思いました。しかし、留学生だった私には彼らとの接点は全くなく、同じ地域に住みながらも、交流はなかった。

結婚し、フランクフルト近郊に引っ越したとき、近所に駐在員家族がたくさん住んでいました。同じ年頃の子どもがいたことからお近づきになれ、随分と親しくしてもらいました。よい人たちばかりで、別にブランド物を着込んでスーパーに行ったりしてませんでしたし(しても別に構いませんが)、「土曜日はインマーマン」のイメージとは違う、もっと気さくな人たちでした。

それでも、駐在員妻、略して「チューツマ」の生活と、現地人を夫に持つ日本女との生活には結構隔たりもあり、どっちかというと、同じようにドイツ人夫を持つ日本女性たちとのおつきあいの方がより気楽だったかな。たとえば、現地組の場合、日本への里帰り費用の捻出に頭を抱えたりしますが、駐在組は会社が一時帰国費用を出してくれるとか、いろいろと「羨まし~い」ことがありました。だから、「私もいつかチューツマしてみたいな~」と憧れていましたね。

ですから、夫が日本駐在を希望し、それが通ったときは、わおっ!と歓喜。いよいよ私もチューツマとなる日が来たのです。

夫の会社の日本ヘッドオフィスは東京のど真ん中にあります。会社側は、夫は当然そこに勤務を希望したのだと思ったそうです。しかし、夫は、
「ヘッドオフィスじゃなくて、埼玉の工場に行かせてください」
「へ?埼玉?」ちょっとびっくりされました。何故なら、ドイツ人駐在員というのは普通、ヘッドオフィスに勤務し、広尾とか田園調布の「外人ゲットー」にある家賃100万円くらいの高級マンションに住み、子どもはインターナショナルスクールに通い、買い物は紀伊国屋か麻布スーパー、日本語は話さず、ドイツ語ないしは英語のみで生活するもんなんだそう。ところが夫は、「都会は疲れるし、せっかく日本に行くんだから、ドイツ人ゲットーに住むより、日本人が普通に生活しているところで日本人とつきあいながら生活したい」と、埼玉行きを言い張りました。

会社にしてみれば、インターナショナルスクールの授業料を払わなくていいし、埼玉には外人専用マンションがないのでバカ高い家賃を払わされずに済むわけで、断る理由もなく、夫の要望は認められました。子どもたちに日本の生活を味合わせるという点でも、普通の日本の学校に入れるのがいいかなと思って、私も賛成しました。それに、ドイツ人ゲットーに住んでも私自身は日本人なので、ドイツ人チューツマ達から日本への不満なんかを聞かされても困ってしまうし.....

以来、普通の日本の町で、普通の日本人に囲まれ、私たちは幸せに生活しています。工場では夫は唯一の外国人なので、まあそれなりに苦労もありますが、他の駐在員と自分を比べる機会もないので、こんなものだろうと思って、それなりに楽しくやってきたようです。それに、子どもを通じて日本人の友達ができて、それが何より嬉しいようです。

だから、私、一応はチューツマなんですけど、全然チューツマらしくない毎日です。普段、チューツマを意識することもありません。

しかし、先日、歯医者の待合室に置いてあった「Very」という雑誌を手に取ってパラパラめくり、「ほ~う。きっとこういう生活なのね。本当のチューツマは」と思いました。白金台にあるレストランでランチをするマダムたちの写真なんかがたくさん載っていました。ドイツ人チューツマたちも白金ランチやっているんでしょうか。

やっぱり、私にはとてもついていけそうにもない世界だわ。ブランドバッグ買いまくりのバイトはしてましたが、自分が高級品を身につけているところは全然想像できません。

夫の滞在許可更新のため、広尾にあるドイツ大使館に行ったときにも同じような感じを持ちました。さすが広尾。パリからそのまま持って来たようなパン屋さんがあったりして、「なるほどここなら、ヨーロッパにいるのとほぼ同じ感覚で生活できるんだろうなあ~」と思いましたけど、妙に落ち着かなくて、用を済ませたらサッサと埼玉へ逃げ帰って来てしまいました。

人のことだと、「まあ、素敵ね~」と素直に思うけど、やっぱり自分には関係ない世界ですね。慣れないことはしなくてよかったかも。

チューツマになりきれなかったチューツマの生活も、もうすぐ終わりです。


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  1. 2005/11/27(日) 00:51:15|
  2. 異文化
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:12
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コメント

どこでも同じなのね駐在員。

ドイツに住んでいる駐在員の話、そのままタイにも当てはまりそうですね。
よく言われる皮肉は、
「駐在妻、タイでは運転手つき、日本に帰ればママチャリ。」
  1. 2005/11/27(日) 10:49:17 |
  2. URL |
  3. Toshi@タイ #EBUSheBA
  4. [ 編集 ]

Toshi@タイさん

タイにも駐在員が多く住んでいるのですよね。

普段できないことを味わう機会に恵まれたなら、満喫してもいいんじゃないかなと思いますけど、でも、運転手付きからママチャリに戻るのはちょっとギャップが激しそうですね~。
  1. 2005/11/27(日) 14:44:13 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

駐妻

アメリカ駐在物語奥さまはニューヨーカーって漫画が週刊NY生活って新聞に連載されていますよ。おまけに本にもなっているそうです。ちょっとそんな駐妻話が載ってます。
  1. 2005/11/28(月) 01:05:19 |
  2. URL |
  3. ヒロシ #-
  4. [ 編集 ]

そうそう、私もFfmでなるべく彼女たちとの付き合いはご遠慮していたなあ。まあ、むこうも変な日本人と思っているから、そんなに声もかからなかったしよかったけどね。
でも、そうやって駐妻やっていると、新しいことに知り合う可能性を狭めてしまってもったいないよね。以前よくいわれた、外務省の人々の妻たちもすごいそうで、妻の間にもランク付けがあって大変だとか。そんなことに気を使って生活して、新たな文化や人と知り合う機会をせばめるなんて、とってもばかばかし~。でも、こう思っている私たちは、一生駐妻の生活は味わえないかも!?
  1. 2005/11/28(月) 12:33:50 |
  2. URL |
  3. Sue #-
  4. [ 編集 ]

ヒロシさん

そういう漫画があるのですか~。なんだか面白そうですね。

もっとも、駐在妻であろうとなんであろうと、いろんな方がいるんですから、カテゴリー化するのはよくないのかもしれませんが。

  1. 2005/11/28(月) 13:51:27 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Sueさん

え~、ランク付けっていうのもあるの。単にリッチなだけじゃないんだね。それは私にはさらに苦しいかな。。。

せっかく知らない土地に行ったなら、そこのことが知りたいと私なんかは思うけど、新しいことを吸収するよりも慣れ親しんでいる環境を維持したいと思う人もいるんでしょうね。駐在の場合、行きたくないのに行かされることもあるんだろうしね。

行きたくて行き、帰りたくて帰って来られた私は恵まれているのね。
  1. 2005/11/28(月) 14:01:09 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

D市の市民大学の申し込みにいったら、チューツマ1がチューツマ2に「あなた、まさかドイツ語を申し込みに来たんじゃないでしょうね」と言ってるのを聞きましたよ。
あと、10年、F市で暮らしていても、ろくにドイツ語できない日本人のオクサンとか。旦那さんは現地採用なのに、この街は日本語だけで日本人社会で暮らせるのね、と思ったりしました。
どうせ3年で帰るんだからべつにいらない、と思うか、3年しかいないからドイツのいろいろ経験しよう、と思うか、人それぞれですね。

そうそう、Muensterland・・NRW州、大雪で高圧電線塔が折れて!しまって、金曜日以来、電気が通っていないんです。高圧電線が、低くさがっていて、危険で、あちこち通行止めになっていますし。
  1. 2005/11/28(月) 16:02:14 |
  2. URL |
  3. nyf1403 #-
  4. [ 編集 ]

nyf1403さん

「ドイツではドイツ語を習わずに、英会話を習っています」という方に会ったことがあります。帰国しても使えるようにと実用面を重視するか、たとえ無駄になってもいい経験になればと思うかですね。その後の人生をどう送っていきたいかにもよるでしょうね。

私は無駄なことがたくさんできるのって、一種の贅沢かなあと思っていますが。
  1. 2005/11/29(火) 15:23:18 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Weinachtsmarktにて

いかにも~!っていう中年の奥様達に会いました。皆様そろってお高そうな恰好、身のこなしが違います。

でもあの年代、50じゃないのかなぁ。

日本でもご主人それなりにいい役職についてるのじゃないかしら、と思わせるようなチューツマらしき奥様達に会いました。

(旅行者にしてはおどおどしてなかったから…。)
  1. 2005/11/30(水) 01:52:04 |
  2. URL |
  3. がるっち #yl2HcnkM
  4. [ 編集 ]

がるっちさん

駐在員というと30代が多い気がしてましたが、年配の方もいるんですね。

旅行者と滞在の人は見て、わりとすぐにわかりますよね。
  1. 2005/11/30(水) 15:52:15 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

ドイツ人で元チュウツマ、田園調布に住んでた人と話したことがあります。フィリピン人のメイドつきの外人ゲットーに住み、そこがまた、ドイツ語圏人しか入れないOCHIAI APARTMENTというところだったそうですが、年に4回も里帰りしてたらしいです。で、日本語はというと性に合わなかったらしく途中で挫折。その代わり、ゲットーのお仲間の英語圏のネイティブとお友達になり、英語力がアップした自分にかなり満足している様子でした。子供ももちろん、英国系の幼稚園にいかせてました。なんか、せっかくドイツに住んでいながら、せっせと英会話に励む日本人チューツマと一緒ジャンって、思ってしまいました。ついでにいうと、ドイツ人はトルコ人労働者や難民がドイツ語を覚えないのに憤慨してるけど、お金もない、もともと教育程度が低くて、ドイツに来ている人とお金も暇もある、教育程度も高いのに日本語をならおうとしないドイツ人チューツマ,ビアンカさんだったらどっちを責めますか?
  1. 2005/12/02(金) 19:38:48 |
  2. URL |
  3. とんちんかん #-
  4. [ 編集 ]

とんちんかんさん

うーむ。確かに言葉って勉強したくても、そのための時間もお金もない場合ってありますね。

滞在国の言葉をやるやらないはその人が決めるのでいいと思うけど、「○○語なんてやってもしかたがない」って公言するのは、その国の人たちに対してちょっと失礼かな。
  1. 2005/12/03(土) 16:37:58 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

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