わいるどわ~るど 

異文化好き好奇心人間の世界考察ブログ

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異国でアルバイト その4 ブランドマダム

ここのところ、日常生活、かなりドタバタしてます。そこでちょっと気分転換に、また昔話を。

ドイツでの長い長い窮乏時代に戻ります。

本を出してから、新刊の間は講演や朗読会、ラジオ出演依頼なんていうのもチラホラ来ました。ま、数えるほどの本数でしかありませんでしたが、拘束時間が短い割に高額ギャラがもらえて思わぬ臨時収入に。しかし、それも1年くらいの間だけ。その後はパッタリと来なくなります。そして再び厳しい現実に逆戻りです。

はぁ~っ。今度は何で儲けようかねえ。そのとき夫は博士課程の学生で、給料は10万円弱くらいでした。少なくともあと2年間は知恵を絞って乗り切らねばなりません。おいしい話がどこかに転がっていないものか。

すると.... 転がってました!

日本人留学生仲間の一人が日本に帰ることになり、それまでやっていたアルバイトを引き継ぐ人をちょうど探していたんです。その仕事というのは、大きな声ではあまり言えませんが、並行輸入の買い付け。ブランドグッズをドイツのブランドショップで安く買い、航空便で日本に送る、それだけです。

日本のある地方都市のお店に並べるためのもので、買い付けた物の定価の7%をコミッションとして受け取るというのです。
「それって、もしかして....ヤバイ仕事じゃないよね?」小心者の私は、なんとなくビビってしまったのですが。
「う~ん。まあ、ブランド側からすれば好ましくないよね。でも、日本のその会社は信用のおける会社で、社員はみんないい人たちだし、今まで一度も嫌な思いしたことないから、自信を持って紹介できるよ」と友達に言われ、引き継ぐことになりました。

「え~っ。なにそれぇ!スッゴイおいしいじゃん。やったね!!」夫は大喜び。

ドイツ国内に儲けた銀行口座の現金と、私名義で会社に作って貰ったクレジットカードを併用して買い物をします。買うのは主に、シャネル、ヴィトン、フェラガモ、プラダ、DKNY。たまに、エルメスのバッグを買うこともあります。エルメスのバッグって、うん十万円しますから、一個買うとコミッションは...... うふ。とっても幸せ?

それにっ。私も一応女ですから、ブランドには興味がないとはいえ、ファッショングッズを金に糸目をつけずに買うのって、快感ですっ!!しかも、何を買うかは私の裁量に委ねられているんです。

楽しく、拘束時間が短く、お金になる仕事。

し、しかし......月に一度、ドイツの某ファッション都市のブランド街に出没する私は、あまりに怪しいのでした。だって、毎月毎月現れて、バンバン買っているくせに、自分ではブランド物を何も持っていないのですよ。VISAのゴールドカードを取り出すお財布は、薄汚れたイチキュッパ。バッグだって、「そういうの昔、日本でありましたよね」っていう代物。服も靴も......

でも私自身はまだよかった。少しでも「怪し度」を下げるために、さりげなく振る舞ってました。100万円くらいの買い物をするときも、バッグを一つ選んだら、それに合う靴、キーホルダー、お財布、帽子などをトータルコーディネートで購入し、「自分のためよ」ということを強調。それでも充分、怪しかったはずですが、夫はもっとひどい。

そう、夫にも買い物を手伝わせたんです。同じ人物がいつも来るのでは目立つので、夫に現金を渡して買いに行ってもらいました。

でもね~。何も考えてませんから、彼は。格好のみすぼらしさは私と変わりませんが、買い方がすごいんです。店に入るなり、ツカツカと陳列棚に直行し、
「この棚のバッグ全部!」とかやっちゃう。ありえません。
「ちょっとー。それまずいよ。絶対変に思われるよ」と注意しても、
「思われてもいいもん」

二人して、両肩にブランドショップの紙袋をかけ、裏道に停めてある車に積み込むのですが、その車がまたすっごいボロボロ。

人目が気になって、妙にキョロキョロしてしまって.....
あるとき、「もしや、ビアンカでは!?」と大声で呼び止められ、ぎょっとして振り向くと、高校時代の同級生が立っていたのには仰天。
「いや~。こんなところで会うとはびっくりだね。一体、何してるの、ドイツで?僕は指揮者として留学に来たんだよ。覚えてるよね。高校の合唱祭で僕が指揮やったこと。いや、まったく懐かしいな~」
懐かしいのはこちらもですが、こんな姿で再会したくなかったかも~っ。

2年後、夫が就職し、この怪しいブランドマダムの仕事から足を洗いました。正直、ほっとしました。顔を上げて歩けない仕事は長く続けられませんね。

でも、2年間、買いまくったお陰で、物欲とは無縁の人間になりました。ブランド物っていうのは買えないうちが花なのだなと思った。いくらでも買えたら、面白くも有り難くもないんですね。もっとも私の場合、買っただけで所有はしていませんでしたが。

すでに一生分の買い物をしたかのような(いや、それ以上だな)錯覚とともに生きている私です。

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  1. 2005/11/21(月) 21:09:28|
  2. ドイツ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:16
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コメント

面白すぎる。ビアンカのバイト話。昔はいろいろとヤバイこともしてたんですね。大丈夫、今のあなたからは損な過去は想像できない。
  1. 2005/11/22(火) 02:24:25 |
  2. URL |
  3. とんちんかん #-
  4. [ 編集 ]

ふむふむ、そういう過去が・・。私もやってみたかったですな~。パリでは、まだあるみたいですね。ドイツでもできたんですね。
Stuttgartにもルイヴィトンの店がありまして、日本人友人とひやかしではいると、必ず英語でとても親切に話しかけてきますね~。日本人だから?友達は財布がここのですが、私は無印良品。
私には、日本の無印良品やユニクロのほうを大人買いするほうが、ずっと楽しいです。
  1. 2005/11/22(火) 03:35:50 |
  2. URL |
  3. nyf1403 #-
  4. [ 編集 ]

エルメスのバックパッカー

ビアンカさんが世界を歩き回るバックパッカーなのは知っていましたが、ブランド商品のバックパッカーもやっていたのですね。ふむふむ。
  1. 2005/11/22(火) 18:10:32 |
  2. URL |
  3. Hiro-san #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

知らなかった。

ブランド品って、私は縁がないのですが、それだけ日本では高く売っているということですよね。
すなわち、日本での価格だけの価値はないということなのかな。
  1. 2005/11/22(火) 18:54:32 |
  2. URL |
  3. Toshi@タイ #EBUSheBA
  4. [ 編集 ]

この話またおかしい。そんなバイトしてたのね。私もまったくブランド物に興味がないし、あんなものをみんなで買っている気が知れないけど、そんなおいしいバイトだったらやってみたい!?それにしても、日本の渋谷あたりちょろちょろしているがきどもがみんなビトンのバックか何か持っている姿って本当に異様よね。ぜんぜん似合っていないのがわかってない。
  1. 2005/11/22(火) 20:50:18 |
  2. URL |
  3. Sue #-
  4. [ 編集 ]

私もあります

といっても1度だけです。
短時間でお小遣い稼ぎになってラッキーという感じですけど、何度もできるもんじゃないな、と思いました。
2年もやっていた、なんて、すごい。
ローマは日本から買い付けに来る人たちも結構いるんですよ。
  1. 2005/11/24(木) 04:40:43 |
  2. URL |
  3. yruanoto #-
  4. [ 編集 ]

次々出てきますね。ビアンカさんの昔話。なかなかできない経験ですね。私には縁のない世界なので、とても不思議なお話です。
  1. 2005/11/24(木) 05:29:20 |
  2. URL |
  3. ヒロシ #-
  4. [ 編集 ]

とんちんかんさん

とんちんかんさんご一家が現在お住まいの町の、あのお洒落な通り、かつての私の仕事場ですよ~。

私用で行ったことは一度もありません!
  1. 2005/11/24(木) 08:12:45 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

nyf1403さん

ブランド物を買いあさる日本人は嫌がられるという噂でしたが、私もいつも丁寧に応対してもらいました。「お得意様」として案内のハガキもよく受け取りましたよ。
  1. 2005/11/24(木) 08:15:41 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Hiro-san

私ほどブランド物の似合わない人間はいないかも~なのに、よくやっていたと思います。われながら.
  1. 2005/11/24(木) 08:17:06 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Toshi@タイさん

国内ではそれだけ高い、あるいは直営店のない地方都市でも買う人がいるってことなのでしょうね。私にはその価値がよくわからなかったので(猫に小判?)、商品をネコババしたくならず、よかったです。
  1. 2005/11/24(木) 08:20:02 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Sueさん

会社に「商品だけじゃなく、ブランド名の入った紙袋も大事だから、一緒に送るように」って言われて、汚さないように気をつけて送っていたの。私が送った紙袋を肩に、幸せな気持ちで日本の田舎町を歩く人がいるんだな~と想像して、ちょっと楽しかったです。
  1. 2005/11/24(木) 08:22:59 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

yuranotoさん

ローマはやはりそうでしょうね~。私が仕事をもらっていた会社は、私の他にローマとパリに買い付け要員を置いていたようです。

何度もやっていると面が割れるので、ドイツのいろんな町に出張までしていましたよ。
  1. 2005/11/24(木) 08:25:33 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

ヒロシさん

はい。叩けばいくらでもホコリが.....
  1. 2005/11/24(木) 08:26:44 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

不思議なお仕事

ビアンカさんは様々な異国体験をされていて、読んでいて面白い(というと少々失礼になりますが)です。
こういうのを「すきま産業」というのでしょうか? いろいろなところに目をつけて商売をする日本人がいるんだなぁと改めて感じる記事でした。
きっと、販売元はビアンカさん以上に儲かったのでしょうね。
  1. 2005/11/24(木) 15:08:29 |
  2. URL |
  3. kmy #GaU3vP2.
  4. [ 編集 ]

kmyさん

今になってみれば、いろんな体験ができたので、貧乏もそれなりによかったのかなと思えるのですが、当時は必死でした。

いろんな「すきま産業」があるんでしょうね、世の中には。
  1. 2005/11/25(金) 10:27:45 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

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