わいるどわ~るど 

異文化好き好奇心人間の世界考察ブログ

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頑張るだけじゃ駄目?

外国に留学を考えていらっしゃる方にとって、なにかの参考になればと思うんですが・・・

「コミュニケーション力」のエントリーで、私の聴く能力がドイツ人学生に比べて劣っていたため、ドイツの大学でノート取りに苦労したことを書きました。でも、もちろん、留学生活で苦労したのはノート取りだけではありません。正直に言いまして、何もかもが私には難しかったですね。

それでもどうにか単位は順調に取って行きましたが、4学期(つまり2年)を終えたところで、「中間試験」なるものを受けなければなりませんでした。ドイツの大学は、日本の学士と修士が一体化していて、この「中間試験」は言ってみれば学士試験のようなもので、これを突破しなければ先に進むことができません。

全く勝手がわからないので、非常に不安だったのですが、周囲の学生の話を聞いているうちに、ますます不安がつのりました。なぜなら、「口答試験」があるというので!

多くの日本人がそうであるように、筆記試験には慣れていましたが、口頭試験なんて、日本ではほとんど受けたことがありません。しかも、人前で話すのが大嫌いと来ているし。も~どーしよ、と胃が痛くなりそうでした。

言葉のハンデがあるので、知識量ではドイツ人学生たちの上を行っていなければならない。必死で準備しました。文献読みまくり。相当長時間、机に向かっていたと思います。そして、読んだことを「理解できた」という実感もあった。その甲斐あってか、筆記試験の結果は上々。ホッと胸を撫で下ろしたものの、まだ難関の「口頭」が待っています。

周りの学生に、「口頭が怖いよ~」と言ったら、みんな「えー!口頭なんて楽勝だよ。筆記に通れば、落ちる人なんていないよ」と口々に。そんなものかな・・・でもやっぱり、コワイ!心臓バクバクで試験会場へ。

なにが楽勝なもんか・・・案の定、頭の中が真っ白になってしまいました。何を質問されても、緊張のあまり、ほとんど言葉になりません。自分でもわけがわからないうちに、試験終了。

もう、その時点ですでに立ち直れない気持ちでしたが、教授にこう言われたんです。
「うーむ。筆記ができてたから、一応合格にしてあげるけどねえ。だめですよ、こんなことじゃ。卒業試験はもっと厳しいんだから、口頭試験でもちゃんと答えられるように練習しなければ。わかりましたね?」
わかってますよ、もちろん。

部屋を出るとき、ため息とともに、思わずこんなつぶやきが口から漏れてしまった。
「あーあ。あんなに頑張って勉強したのになぁ」

それを教授は聞き逃しませんでした。
あなたがどれだけ頑張ったかなんて、私には関心がない

エッと思い、ふり返った。

教授は続けます。
「あなたが何日徹夜で勉強しようとも、文献を何十冊読もうとも、そんなことは重要ではないんです。大事なのは、あなたが理解したかどうかということだけだ。あなたは、理解しているつもりかもしれない。筆記を見る限り、実際そうなのだと思う。でもね、○○さん。わかっただけでは駄目なのですよ。わかったことを、人にもわかるかたちで提示できないと。それができないのは、理解していないも同然です」

がっがっがあぁ~~~~~ん!!

うえ~ん
「結果はともあれ、精一杯やったのだから」
「真面目に頑張ったのだから」
そんな慰め言葉を自分にかけてやろうと思ったのに・・・

頑張っただけじゃ、だめなの?

日本の大学が懐かしくなりました。試験の時、「ノート持ち込み可」っていう科目があったなあ。持ち込みはOKだけど、自分のノートでなくてはならない。人のノートのコピーは不可。なぜなら、「人が頑張って書いたもの」を使うなんてズルイから。自分で頑張ることが大事。たとえ理解してなくても、理解しようと頑張ったことこそが大事。

そういうのは通用しないんですね。

日本の大学では、授業の出席を何回にもわけて取ることがありました。出欠を取った後、ずらかる生徒が多かったので。生徒を教室になんとか縛り付けておこうと、教官たちは苦労してました。真面目に90分座っていた生徒にしか単位はやれない。頑張らない生徒は評価できない。

ドイツの大学には、居眠りしたり、やたらと私語を交わしている生徒というのはいません。授業を聞かないのなら、そこにいても意味がないから。その代わり、コーヒーを飲みながら、あるいは編み物をしながら授業を聞いている学生はたまにいました。授業に頑張って出ていることを教師に評価してもらうために出席するのではなく、自分が授業を理解するために出席しているということなんでしょう。

なんかだいぶ違うな~と思って見ていました。

「頑張り」より「結果」か。
「結果」より「頑張り」か。

結果を重んじる社会はシビアです。情け容赦ないです。でも、頑張りを重んじる社会も苦しいです。

日本のサラリーマンの残業がいつまでも減らないのは、「頑張り」があまりにも重要視されるからかもしれません。




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  1. 2005/09/30(金) 23:23:27|
  2. 各国情報
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:22
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コメント

おはようございます。私はドイツではオルガン実技しかやっていませんので、自分の経験としてではないですが、まわりの友達を見ていると、こういう社会~大学だよな~、って思います。
でも、教授にそれを言われた時、さぞかしお辛かったと思います。だって、日本での価値観をくずされたわけですよね。これこそ、カルチャーショックかな~、と読んでいて思いました。
オットは、ギムナジウムで美術を教えていて、簡単にすごくいい絵を描く生徒にはもちろん、いい点をつけますが、今ひとつでも、一所懸命真面目にやった生徒にもある程度の点はつける、って言います。ギムナジウムのこういう科目では、やはり、「勤勉に努力」も認めてやらなければいけないから、というのが彼の持論です。

ビアンカさんのブログをリンクさせていただけたらと思います。
  1. 2005/10/01(土) 16:17:50 |
  2. URL |
  3. nyf1403 #IP/sRWwE
  4. [ 編集 ]

うーん、そうですねぇ...。
文化の違いってのもあると思うんですよ。つまり、目に見え耳に聞えないと、それは存在しないと考えがちな西洋の人たち。
どっちがいい、悪いというより、それぞれだ、と思うんですよ。
また、正しいプロセスなしにふつう結果は出ないし、だからといって、やっている「ふり」をするのは単なる無駄だし。
簡単に書くと、こんなふうに思いますけど、いかがです?
  1. 2005/10/01(土) 20:11:50 |
  2. URL |
  3. michiaki01 #-
  4. [ 編集 ]

評価の仕方の違い

人にわかるように提示しないと、ということば、なるほどなーと思いました。
イタリアでも、例えば化学式を書くのは簡単なんだけど、それを口頭で説明しながら言うとなると、10倍くらい大変でした。
でも私がすらすら言えなくても、横から先生が口添えしてくれたり、「よくできたねー。」と誉めてくれたりして、ドイツより甘いのかも、と思ってしまいました。大学はまた違うでしょうけど。
  1. 2005/10/02(日) 04:54:38 |
  2. URL |
  3. yuranoto #-
  4. [ 編集 ]

職業病by日本語教師

厳しいですね。でも実は、同じようなことを自分もしているかもしれないことが判明。よく日本語の授業で、あまりできない学生が「先生、私は理解しています。勉強したし」というのがいると、「理解するだけじゃ足りないんだよね。その理解したことを使って、日本語で書いたり読めたりできないとね」と言ったりします。でもそんな学生は「書くことさえできない」ほどの理解度ですから、同じようには比べられないんですけどね。
  1. 2005/10/02(日) 05:02:15 |
  2. URL |
  3. ヒロシ #-
  4. [ 編集 ]

目的は何かという・・・

何のために勉強しているのかによって視点が違いますね。
将来の就職、職業上の必要に基づいて勉強する場だけが学校ではないと思います。
見方によっては結果ではなく、研究の方法を学ぶことが目的になる場合もあります。
職業研修のように即戦力育成のような見方はドイツなどでは過去(最近も?)の厳しかった社会の記憶から来ているのでしょうか。

出来るなら豊かな精神を持って死ぬまで勉強したいな、と思いました。
  1. 2005/10/02(日) 08:31:21 |
  2. URL |
  3. panics #-
  4. [ 編集 ]

日本の会社で

以前聞いた話ですが、日本の会社でボーナスなどの査定をするとき、がんばっているのに仕事が出来ない人を査定するのが一番大変なのだそうです。
がんばっているのはわかるんですが、高評価にする訳にも行かない。・・・・・・
  1. 2005/10/02(日) 16:04:41 |
  2. URL |
  3. Toshi@タイ #-
  4. [ 編集 ]

nyf1403さん

はい。大ショックー!!でした。文化人類学の教授なんだから、異文化も考慮してくれよー、とは要求できないですけどね、さすがに。

リンクの件、ありがとうございます。こちらはすでに、nyf1403さんのサイトをMyBlogListに登録させて頂いています。事後報告で申し訳ありませんがご了承ください。
  1. 2005/10/02(日) 17:01:54 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

michiaki01さん

意欲というのも評価の対象になっていいのかなあと思いますが、頑張りが評価されるとなると、「ふり」をする人は絶対でてきますしね・・・

難しいですね。
  1. 2005/10/02(日) 17:04:41 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

yuranotoさん

化学式を口頭で説明ですか。うーん、日本語ででも私には無理そう。

ドイツにもnyf1403さんのご主人のような先生もいるようですから、文化の違いだけでなく、教師によっても評価基準は違うのでしょうね。
  1. 2005/10/02(日) 17:09:17 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

ヒロシさん

生徒に知識をアウトプットする能力まで含め教えるのがお仕事と認識すると、どうしてもそうなってしまうのでしょうね。

そう考えると、厳しく言われたことを感謝すべきなのですね。
  1. 2005/10/02(日) 17:14:06 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

panicsさん

ドイツでは大学は基本的に無料なので、その辺の違いなのかもしれません。有料だと、お金を取る以上、あまり邪険にはできないというか・・・

そういうのもあるのかなあ?
  1. 2005/10/02(日) 17:16:47 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

Toshi@タイさん

以前、日系企業をやめることになったドイツ人社員に対し、その企業が発行した「再就職用の紹介状」を日本語からドイツ語に翻訳する仕事をしたことがあります。

でも、「彼は上司の言うことをよく聞き、与えられた仕事を真面目にこなした」と書かれていて、そのままドイツ語にすると、「ただの能なし」と言ってることになるので困りました。

あの方の再就職、うまくいったのかしら・・・
  1. 2005/10/02(日) 17:23:37 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

実力主義

うーん、ちょっと厳しい見方だけど、ある意味「実力主義」なんだろうと思います。
私はどちらかと言うと、実力主義の方が好きです。
日本の社会とか見ていればわかりますけど、実力はあるのに高卒だから昇進が遅くなるとか、そういうのはあまり好きではありません。
もちろん努力も必要だとは思いますけど、それを生かすか殺すかは自分次第だし、それはやっぱり結果として現れてくるんだと思います。
うーん、私の考え方、冷たいでしょうかね?
  1. 2005/10/02(日) 19:54:56 |
  2. URL |
  3. arc1017 #2Qwf./yA
  4. [ 編集 ]

いや、冷たくないです

冷たくないと思いますよ。逆に、高校卒業とかで正社員の立場になれないのにすごい一生懸命働いてる子をなんとかしなきゃ、ということにつながるって思います。
本当に徹底的に「結果」にこだわるんであれば、これはきちんと公平だと思います。日本ではどうしても、「時間をかけた人」「一生懸命だった人」への情状酌量が入ってしまうんでしょう…。
  1. 2005/10/02(日) 20:04:50 |
  2. URL |
  3. シーラカンス #bBmFigmc
  4. [ 編集 ]

arc1017さん

ようこそおいでくださいました。

実力主義というのは、厳しい部分もありますが、それぞれが自分に合った分野で集中的に努力できるという利点もあるでしょうか。

すべての分野で「頑張り」を見せなければならないとなると、キツイですし、どうしても「薄く」なってしまうのかもしれません。
  1. 2005/10/02(日) 20:16:42 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

シーラカンスさん

お越し頂き、ありがとうございます。

「石の上にも三年」という言葉がありますから、困難な状況でも頑張るのが美徳と言う考えなのですよね。

「自分が頑張りたいから頑張る」と、「頑張りたくないが、頑張らなくてはならない」というのは、かなり違うと思います。後者だと、なかなかよい結果は出せない気がします。
  1. 2005/10/02(日) 20:22:21 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

何度か読み返してみて

学生に対して不真面目な教授(講師?)だなと感じますね。
必要のないプレッシャーを与えるのは悪質です。不合格にはしないといってる訳ですから。
他人の助けを得て何かを学ぶ目的は結局は学び方の学習なんです。

百姓の金言にある言葉ですが・・・雌牛を叩いて乳を出させることは出来ない・・・というのがありますが、学生だって同じです。
必要なのは愛情なんです。
  1. 2005/10/02(日) 21:42:41 |
  2. URL |
  3. panics #-
  4. [ 編集 ]

panicsさん

そうですね・・・そもそも、私が甘えた発言をしたのがいけなかったとも考えられます。黙って退場していたら、「お情けで合格になった」という事実だけが残っていたはずなので。

でも、もちろん、褒めてもらったほうが頑張る気にはなれますね。一度落ち込んで、そこから立ち直るのにはパワーが要りますから。
  1. 2005/10/02(日) 22:05:37 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

そこまで厳しいのでしょうか?

以前コメントを書いたのですが、その後消してしまいました。

私は現在大学生ですが、私の学科では

 -基本的に出席はとらない
 -評価はレポートだけ
 -他人のレポートを参照しても良い
 -自分のレポートをWEBにあげても良い

というクラスがあります。

簡単そうに見えますか?実はこのクラスはその学年の「鬼門」になっています。
#実際上のような状況でも単位を取れない生徒は比較的沢山います。

なんだか「日本では頑張りが評価される」というようなメッセージを上の記事から読めたので..頑張っても(つまり時間をかけても)思う様に結果が出せず、ボロクソに言われる人やグループもあります。

私はどちらかと言うと結果だけ評価される方が好きかも知れません(そもそもどれだけ頑張ったかなんて主観が絡む問題だと思うので)。シビアと言う人もいるかも知れませんが、実際社会に出て結果以外に評価される指標はあるのでしょうか?
  1. 2005/10/15(土) 17:12:52 |
  2. URL |
  3. Kira (カッキー) #abrln1ek
  4. [ 編集 ]

カッキーさん

再度書き込みしていただいて、すみませんでした。

カッキーさんのいらっしゃる学科では、「内容」が重視されているのですね。確かに「頑張り」は主観ですから、他人には測りにくいです。

今日のエントリー「泥棒の気持ち」にも書いたのですが、日本は欧米と比べ、主観がわりあい重視される社会かな?と思うんですが、この印象、間違っているでしょうか。

  1. 2005/10/15(土) 18:11:33 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

主観と客観

こんばんは。カッキーです。

#うーん、「泥棒の気持ち」の記事は基本的に言葉に限定した問題(話題?)だと思うのですが..(勿論それだけではないと言うことも可能だと思います)

もしかしたら日本は「他意を通されやすい社会」なのかも知れません。すなわち自分よりも偉い人などが「私意」を通しやすい社会なのかも知れません。他意が通りやすいので「泥棒の気持ち」の記事の中に出てきているような日本語独特(?)の表現が生まれるのかも知れないと思いました。

#私の経験ですが、アメリカでは(これといった経験は無いが恐らくドイツでも)人を納得させるためには数字などが有効ですが、日本では「肩書き」が有効な気がします。

##以前の書き込みを消したのは私ですし、私の自由意志で書き直したので、ビアンカさんに「すみません」と言われる筋合いは無いと思うのですが..
  1. 2005/10/16(日) 00:29:53 |
  2. URL |
  3. Kira (カッキー) #abrln1ek
  4. [ 編集 ]

カッキーさん

「他意を通されやすい」ですか。なるほど、そこには気づいていませんでした。言われてみれば、「不本意なんだけど、しょうがないなあ」ってこと、結構あるかもしれません。

  1. 2005/10/16(日) 07:50:02 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

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シュタイナー教育の強み:「人の話を聴く」ということ

シュタイナー教育を受けるとどんな人間が出来上がるか、ということだが、先生のお話の比重が多いため「聞き取る力」が強く、演劇やプレゼンの機会が多いため「面接」に強い、という。
  1. 2005/10/25(火) 08:21:39 |
  2. ヒロさん日記
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