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異文化好き好奇心人間の世界考察ブログ

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子どもの絵と自我の発達

保育園の子育て講座へ行ってきました。

毎年やっているもので、園長のお話はすでに何度も聞いているから今回はいいかなと思ったけど、やっぱり毎回新たな発見があります。話の内容は大体同じようなことだけれど、聞くたびにまた違った感想を持ちます。

娘の保育園では、保育の中で子どもが描く絵がとても重要視されています。
「子どもの絵にはすべてが表れます」
園長はそう言って、子ども達の絵を貴重な資料として一枚一枚、大切に保管している。保育士たちは絵に子ども一人一人の状態を読み取って、その状況を把握した上で保育をしてくれています。今回の講座でも、実際に園児のいろいろな絵を見ながらお話が聞けました。

私には絵心がまったくないのですが、本当に興味深かった。子どもの心って、こんなにも絵に表れるんだ。びっくりです。

普段は明るくのびのびとした幸せいっぱいの絵を描く子が、ある日描いた絵。紙の上には大小の二人の人物。目が異様に真っ黒に塗りつぶされ、歯はギザギザ。その日は何枚描かせても同じような絵ばかり描く。
「お家で何かありましたか」保育士が聞いてみると、その子のお母さん、「ええ。昨日しこたま叱っちゃったんですよ」

また別の子は、いつもは細かくて丁寧な上手な絵を描く子。でも、その子がある日描いたものは、ギザギザのグチャグチャ。何枚描かせても同じ。絵にならない。その前の日、親の職場で人が亡くなり、親はひどいショックを受けて帰宅した。その動揺が子どもの絵に表れたっていうんです。

ドキッとしてしまいます・・・

また別の絵は、遠足でぶどう狩りに行ったときの様子を描いたもの。ぶどうの房に伸ばした手がびよーんと、体と同じくらいの長さになっています。
「一生懸命手を伸ばしてぶどうを取った、その気持ちが表現されているんですよ」

逆に、手のない絵もありました。
「この子はね、親が忙しくて子どもに自分でいろいろやらせてあげられなくて。服も着せてやるし、ご飯支度を手伝いたがっても、あっちへ行っていなさいと言っていたら、そのうち子どものほうがやりたがらなくなったんですよ。手を使うようなことをほとんどしないから、手を認識しなくなってるんだね。このくらいの小さな子どもは、生活の中で感じたこと、認識したことしか描かないんですよ」

へーっ。

子どもの絵というと、つい「上手か下手か」で見てしまっていました。バランスよく描けているか、きれいな形になっているか。そうでないものは「イマイチだな」なんて。そうじゃないんですね。子どもが何を表現したがっているかを見てあげなければならないんだな。


園長が常々口を酸っぱくして言っているのは、「幼児期には、子どもはありのままを親に受け入れてもらわなければいけない」ということなんですが、私はこれに共感しつつも心のどこかで「でも・・・」って思っていました。
「ほんとになんでもかんでも受け入れちゃっていいの?それで我儘な子にならないの?」

その先のお話を聞いて、やっと「ああそうか」と思いました。

やっと点が描けるようになった1歳児から6歳児まで、成長過程の順に並べた絵を見ていったのですが、大きな紙いっぱいにたくさんの丸が描かれた2歳児の絵を示して、園長はこう言いました。
「いっぱい描いてあるでしょう。虐待が始まるのはネ、たいていこの時期ですよ」
虐待?絵と何の関係があるのだろう。
「この時期の子どもは欲張りです。あれもこれも、たくさん欲しい。木の実なんか拾わせると凄いですよ。それだけ拾ったんだからもういいだろう、という状態になってもまだ拾ってます。でもそれでいいんです。DNAにそうプログラムされている。正常な成長の一過程なんです」
抱えきれないほど、入れ物から溢れるほど得て、満足して、そして初めて人に分け与えられる。自分が満足できないうちはできないんだそうです。

大人はどうしても社会の規範で見てしまい、
「仲良くみんなで分けなさい」
「もう充分でしょう」
「一人一つずつね」
「けんかしないの」
ってなっちゃうんですね。そして、子どもがそれをできないと、なんでうちの子はこんなに欲張りなの、ちゃんと躾けなきゃって焦ってしまう。叩いたり、罰を与えたりしてでも世の中のルールを教えなくちゃと思ってしまう。

しかし、成長の段階を無視して早くから規範を押し付けてしまうと、自我が健やかに発達できない。社会のルールを学ぶのは絶対必要なことではあるけれど、まずは子どもの自我をちゃんと育ててあげないと。規範を守るということは、健全な自我の上に乗っかってくるものなんですよ。だから、しっかりと自我が育つよう、子どもの気持ちを受け入れてやらなければならない。そう教わって来ました。

そうか、そうなのか~。非常に納得です。

大人でも同じだよね。自分に自信が持てないと、自分が好きだと思えないと、人に寛容にはなれない。他人に優しくとかなんとか言う前に、まずは自分なんですね。

子どもは人類の進化の過程をそのまま辿るように発達する。進化の流れを無視した育児をしてはいけない

ははーっ。いたく反省。

ま、言うは易し、行なうは・・・なんですけどね。

でも、なるべく頑張ります。





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  1. 2005/09/25(日) 14:32:54|
  2. 日常
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:6
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コメント

進化とともに育児

子供の絵に、その子供の心に映った世界が現れるというのは面白いですね。文句いって大変な2歳児のことを、英語ではTerribleTwoとか言うんですが、日本で子育てしてないんで分からんのですが、そんな言葉が日本にもあるでしょうか。その時期に虐待が始まるというのは興味深いです。偶然じゃないでしょうね、もしそういうことがあったら。
「子どもは人類の進化の過程をそのまま辿るように発達する。進化の流れを無視した育児をしてはいけない」というのも考え付かなかった視点で、はっとさせられました。 あと、自分を好きになるってのは、ホイットニーヒューストンのGreatest love of allの世界ですね。すみません、それからあまり存じ上げないのに恐縮なんですが、自己紹介バトンてのが回ってきているんですが、よろしかったら受け取っていただけないでしょうか。。。私もこういうの苦手なんで、お願いするのは心ぐるしいんですが。。。
  1. 2005/09/26(月) 02:35:32 |
  2. URL |
  3. ヒロシ #-
  4. [ 編集 ]

来年からの学校の事とか、いろいろご心配だと思います。でも、ドイツでKindergartenへ通ったら、とてもこんな「高度な」保育はありません!
幼稚園の内容を改革ということが、Baden-W?rttemberg州では始まりそうです。そうなると、その「教師(ドイツでは教師とは言えませんし、言いませんが)」の教育も改革されなくてはいけないのですが、はたしてどこまでできるのかな、と思います。本当にドイツの幼稚園の程度は低いです。
  1. 2005/09/26(月) 04:12:01 |
  2. URL |
  3. nyf1403 #RF3yK3PM
  4. [ 編集 ]

ヒロシさん

2歳児はほんとに手ごわいですよね。私も、子供達が2歳のときは怒ってばかりいた気がします。(反省)

バトンの件、了解しました。ありがとうございます。

  1. 2005/09/26(月) 12:15:39 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

kmyさん

幼稚園改革があるのですか・・・息子がお世話になったドイツの幼稚園は、幸い先生がよくて、不満はありませんでしたが、とんでもない幼稚園の噂はいろいろ聞きました。

娘の保育園のような園は、日本でもわりと珍しいようです。今の日本ではどちらかというと、英才教育系が多いみたいです。

ほんとに、来年の帰国後が心配です。アドバイス頂いたモンテッソーリなども検討するつもりです。
  1. 2005/09/26(月) 12:19:43 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

いい話ですね

はじめまして。北海道の中学校美術教師山崎正明というものです。幼児の絵にトッラクバックしていただき、ありがとうございました。絵の話とお母さんの感想がいいですね、誠実で。育児の中での子育ってって本当に大事なので、こんな発信をしてくれる方が増えるといいなあと思います。
  1. 2005/10/03(月) 01:12:38 |
  2. URL |
  3. 山崎正明 #hBbXU06Y
  4. [ 編集 ]

山崎正明さん

はじめまして。コメントおよびトラックバックをありがとうございます。

育児は、実際に体験していても、人に教わらなければ気がつかないことが多く、ときどき講演を聞きに行ったりずるのも大事だなあ、と思いました。
  1. 2005/10/03(月) 16:28:10 |
  2. URL |
  3. ビアンカ #JeDKLqWY
  4. [ 編集 ]

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