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ドイツに戻って来て、2ヶ月が経ちました。家の方も少しづつ片付いて来て、一応なんとか生活らしくなってきました。
日本での生活とドイツでの生活。何が一番違うかと聞かれたら、即答できます。 「週末の過ごし方が違う」と。 ドイツで12年暮らした後に日本で生活するようになって、何よりも驚いたのは日本での週末における時間の流れ方でした。 ドイツでは、週末というのは個人のためにある時間です。平日は会社やら学校やら、それぞれの所属する場所で活動し、週末には皆、個人に戻る。寝坊をする人もいれば、早起きをする人もいて、過ごし方は人それぞれですが、キリスト教の影響もあって基本的に日曜は店なども開いていないので、静かにのんびりと過ごす人が多いと思います。あ、もちろんスポーツなどしてアクティヴに過ごす人もいる。まあ、いろいろですね。 自分が予定を入れない限り、何かの予定が入ってくるということは、まず、ありませんでした。会社や学校で「○日に××をするので、集まってください」というようなことは、クリスマス会と夏のバーベキューパーティくらい。クリスマス会の方はともかくとして、バーベキューは行っても行かなくてもいいような気軽な集まりでした。 ところが日本へ行ってみると、自分が「さて、今度の週末をどう過ごそうか」と考える間もなく、カレンダーの週末はびっしりと予定で埋まっているのでした。生活を始めてしばらく経ったある日、ふと気がつくと、家族四人がそれぞれ複数の集団に属することになっていて、各集団の「年間予定」に基づいて、私達の週末の過ごし方は予め設定されていたのです。 それは、町内の草むしりやお掃除だったり、会社や学校のレクリエーションだったり、保育園や学童クラブの話し合いだったり、様々でした。ドイツでも、アパートの住民が分担で草むしりや掃除をしたりすることはありますが、それぞれが自分の担当の日に作業をすることになっていて、みんなで集まって作業をすることは稀だし、そういった作業が週末に予定されることも極めて稀。 日本では、週末は「個人の時間」とは認識されていないのだなあ、と、ドイツ式に慣れきっていた私には大きなカルチャーショックだった。そして、日本人にとって、週末とは平日と切り離された時間ではないのだということにも気づきました。平日と週末では一緒に活動するメンバーが変わるだけ。 皆で集まって草むしりをする。だって、みんなでやったほうが早いから。でも本当はそういう合理性よりも、「顔を合わせることが大事なのだ」と言う説明をいろんな場所で何度も聞きました。交流し、仲間意識を高めることが助け合いに繋がり、個人にとっても社会にとっても有益なのだ。確かにそうなのですよね。疲れているときや、他にやりたいことがあるときには、「自ら立てたわけではない予定」が煩わしいことも多々あったけれど、集団の一員として行動することがもたらす恩恵は計り知れない。 集団にとってたいして何の利益ももたらさない私でも、集団の一員と認識され、皆が集まるときに参加しないと、「あれ、今日はビアンカがいないね。どうしたんだろうね」と、気にかけてもらえることは有り難いことだったんだなと思います。私だけでなく夫もが、「日本へ行ってよかった。またいつか行きたい」という気持ちで日本を離れることができたのも、周囲の人達に気にかけてもらっていたからだ、とつくづく感じます。だから、あれはあれでよかったんですね。 だけどその一方で、私は今、ドイツでの静かな週末を再び堪能しています。どこにも属さない自分が、自分自身のために過ごす時間。ただひたすら自分のペースで流れて行く時間。 他人あっての自分なのだということを意識した日本と、自分なしでは他人との関係は生まれないということを意識するドイツで、時計の針の動きが意味するものは違うのです。
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