ドイツへ渡ったのは、まだうら若き23歳のときでした。季節は夏。ケルン市には緑豊かな広大な市民公園がいくつもあり、人々は十時ごろまで日が沈まない長い長い午後の大部分を屋外で過ごしているようでした。ある日美しい公園に散策に出かけた私は、芝生の上の光景を目にして唖然!
トップレスの女性たちが草の上に寝転んでいるのです。
「一体これは何?」我が目を疑いました。ここはヌーディストビーチではなく、海ですら、いやプールでさえないのに、ビキニのパンツだけといういでたちで彼女らは何をしているのか?
一緒にいた友達に尋ねると、「日光浴してるだけ」だと言う。サッパリ理解できませんでしたが、ドイツで一冬過ごしてようやくわかりました。ドイツの冬はあまりに寒く、暗く、長い。だから、夏が来るとみんな嬉しくて一筋でも多くの日光を!と思うんですね。美白に命を賭ける日本女性にはとうていわかりますまい。日光を得るためなら、他人に裸を見られるくらいどうということはないのです。
ドイツ人はそもそも裸に対して、あまり抵抗を感じないようです。それを知らない私はまもなく怖ろしい体験をすることになってしまいました。
ある時、現在の夫(当時は友達)に誘われて彼の男友達3人と一緒にスポーツクラブへ行きました。しばしスカッシュに興じた後、誰かが「サウナに入って帰ろう!」と言い出した。えー、私水着持って来なかったよと言うと、水着なんて必要ないと言う。では男女別のサウナだろうと思い、更衣室で服を脱いでバスタオルを巻き、サウナのドアを開けると・・・
男が4人、素っ裸で入ってる!
「ぎゃっ!ここって男性サウナだったのっ」と慌てて出ようとすると、「どこ行くんだよ。ここでいいんだよ。男女兼用だよ」。驚き、固まっていると「早く中に入れよ!温度下がるだろっ!」
仕方なくオズオズとベンチ端に腰掛けると「タオル着用不可だぞ!」
冗談でしょ・・・・でも、タオル着用不可は本当だったのです。しかし、タオルをとるなんてそんなふしだらなこと、できるわけないではないか。(23歳ですよ)
頑なにタオルは巻いたままでいましたが、サウナという狭い密室にハダカの男たち4人と一緒に閉じ込められるなんて、たとえわずか5分と言えども生きた心地がしませんでした。
その後ドイツに12年滞在し、いろんなことに慣れましたが、サウナにだけは二度と入る気になれません。あ〜ビックリした、あの時は。