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本で教育コンセプトを知り、「うちの子どもに合いそうだな」と思って選んだモンテッソーリ学校ですが、実際にその教育法がどのようなかたちで実践されているのか、具体的なことは知らないまま、子ども達を通わせることになりました。
息子が転入して5ヶ月。その間に保護者会や行事などが何度かあり、子どもや保護者の話などから少しづつ様子がわかって来た。それをご紹介しようかなと思います。 普通とはかなり違った教育法が何をもたらすのか、私にはもちろんまだわかりません。これから疑問に思うことや、うまくいかないことが出て来るかもしれませんが、「こういう学校もある」という一つの例として書いていきますね。 モンテッソーリ教育の中心にある考えは、「子どもが、自主的に、自分のペースで学ぶ」ということ。 自主的にというのは、「やりなさい」と言われてやるのではなく、自分で「やろう」と思って勉強するってことですね。教師の役目は指示を出したり、勉強を教えることではなく、生徒が自分で学ぶように環境を整え、観察し、必要な場所でサポートすること。 ですから、いわゆる「全員が黒板に向かって先生の説明を聞く」という授業形態ではなく、各自が自分で選んだ内容のことをします。教える人がいないのに、どうやって計算のしかたやアルファベットを覚えるのか?と不思議でしたが、教室には特別に開発された各種のモンテッソーリ教具があり、生徒達はそれらの教具で自習します。モンテッソーリ教具というのは、指導する大人がいなくても子どもが自然に学べるようにできていて、間違うと子どもが自分で間違いに気づくように作られているそうです。 自分のペースで、というのは、今月にはこれとこれをやって、その次の月はここまで進んで....という予定が組まれていないということ。 ええっ?自分の好きなことを自分のペースでだなんて、それじゃあメチャクチャじゃないの?子ども達は学ぶべきことをちゃんと学べるの? という疑問が沸いて来る。でも、実はこうなっています。それぞれの学年には達成すべき目標が設定されている。学年の初めに、生徒はそれぞれ記録帳を手渡され、そこには一年間でどのような能力を習得すべきがが書かれているが、どういう順番で、それぞれの過程にどの程度の時間をかけるかは自由。どういう内容の学習をし、何が達成されたかを、生徒はそこに記録していきます。教師はこまめにそれをチェックし、進捗状況を確認し、必要に応じてアドバイスする。 「学年の終わりに目標が達成されていなかったらどうするんですか?」と私は先生に質問してしまいました。 日本の学校ならば、不完全燃焼のまま次の学年に進み、新たな課題、目標を与えられる。つまり落ちこぼれる。ドイツの一般校ならば、落第して、学年を最初からやり直す。つまり、わかっていることまでやり直さなくてはならない。それってちょっとやる気が失せるかもしれない。モンテッソーリシューレでは? 「その生徒が終わったところからその続きをやります」との回答でした。 すべての子どもが同じスピードで発達するわけではない。子どもの能力はすべての分野において等しい早さで発達するわけではない。なんにでも個人差がある。 ある保護者から聞きました。 「うちの子は、一年生のときには文字が全然書けなかったんですよ。読むことや計算、運動など、その他のことには何の問題もなく、意欲的に学習してたんですが、何故か筆記用具を上手に持つことができなくて、字が書けませんでした。同じ理由で、絵もほとんど描きませんでした。それが2年生になってから問題なく鉛筆が握れるようになって、そうしたらすごい意欲で字を練習し始めて、あっという間にみんなに追いついてしまいました。随分心配もしたんですが、焦らなくてよかった。普通の学校だったら「アルファベットも書けない」ということで落第になってたかもしれません」 そういうこともあるんですね。 学校生活は主に、個人または少人数での自主学習が時間の大半を占めていますが、その他にホームルームのような時間(教師と生徒達が円座になって話し合い)や、クラス全体でのプロジェクトワーク、個人研究発表(一人一人が一年間に3〜4回発表をする)、修学旅行準備、ワークショップなどがあります。 学習の様子を写した写真が学校のHPで見られます。ご興味があったら是非ご覧になってください。 教室はとてもリラックスした雰囲気です。写真でわかる通り、子ども達は床に座って勉強していることが多いです。「勉強するときにはきちんと学習机に座り、正しい姿勢で」と日本では教わりますから、ちょっとびっくりする光景かも。しかも、教室には常に水と温かいお茶が用意されていて、子ども達はお茶を飲み飲み勉強する....なんて言うと、ますますびっくりでしょうか?
今、ちょっと焦ってます。
ドイツ帰国前に仕事を一旦全部やめて、専業主婦状態になって早6ヶ月以上が経過しました。家や庭の環境整備はある程度のところまで進み、二人の子どもの学校生活も軌道に乗りつつあります。 午前中少し時間ができたので、そろそろ自分の身の振り方を考えようかな。何ができるかな。どのくらいできるかな。可能性を探ってみようか、と思い始めたこの頃。 そこにこういう話が舞い込んで来ました。 モンテッソーリシューレで日本語を教える な、何っ? 校長に打診されたのは2週間前。モンテッソーリシューレには、通常のFreiarbeit(自由学習)の他に、ワークショップの時間というのがあります。日本の学校でいうと「クラブ」に相当するでしょうか。数多くあるワークショップの中から、子ども達がやりたいものを見つけて参加することになってます。 日本の学校と違うのは、教員がそれぞれのワークショップを担当するのではなく(そういう場合もある)、外部から講師を連れて来るところ。プロの音楽教師や語学教師が出張してくる場合もあれば、保護者が講師を務めることもあるそうです。この場合、ボランティアではなく、「仕事」として報酬が支払われます。 このワークショップの一つとして、「日本語クラスを是非設けたいので、講師やってください!」と言われてしまったのだ....... え〜〜〜!私、教えるの下手なんですよ。もちろん、日本語教師の資格もないし。10年以上前に、あるベテラン日本語教師に弟子入りして手ほどきを受け、一年ほど教えた経験はあるのですが、そのときは成人相手の講座でしたし。子どもに教えるなんて、自信な〜い! 断ろうかと思ったけど、「お願いしますよ。ねっ」と校長に依頼されてしまっては...... 先週の木曜日は「ワークショップ紹介の日」で、昼休みの校庭に講師陣がずらりと並んでそれぞれ店開き。生徒達はブースを回って内容の説明を聞き、やりたいものに申し込むということになってました。仕方ないので私も行きましたよ。「日本語ワークショップ」って言ったってねえ。子ども相手にそう長時間は持たないし、どうしよう。言葉だけじゃつまらないだろうからと、折り紙や着物、お箸にマンガなど、いろいろ持って行きました。 しっかし、日本語なんてやりたい子、いるんでしょうかねえ〜。 と懐疑的だった私。ところが、ところが!どんどん集まって来ました。テーブルに貼った「あいうえお表」に関心を示した子は少なかったのですが、「お箸使わせて〜」「着物を着せて〜」「折り紙を教えて〜」と大騒ぎ。 「あたし、これやる!」「ぼくも!」「おれも!」と、申し込み用紙に名前を書いていきます。なんと30人以上!ビ、ビックリ〜。 ということで、日本語ワークショップはめでたく成立することになりました。事前に「どのくらいの時間、やってもらえます?」と聞かれたので、「えー、そうですね。一時間くらいだったら.....」と消極的に答えておいたのですが...... ついさっき、教頭先生から電話があって、 「すみませんが、明日から早速お願いします」ですと。い、いきなり明日〜。 おまけに、こんな展開に。 「1年生から7年生までの希望者がいますから、全員一緒というのは無理ですよね。1,2,3年生クラス一つに、4,5,6年生クラス一つ、それに7,8年生クラス一つということで、全部で3コマ担当してください」 な、なんか話が違うぞ〜。 ああ、どうしましょ。今日はこれから授業計画を立てなければなりません。 うまくいくか、心配です....... 緊張〜
息子のクラスの保護者会に行って来ました。
今回の集まりは、新年度の「役員選出」と、9月に予定されている修学旅行が話し合いのテーマでした。 今年4月に息子が転入して三日後くらいに、いきなり一週間の修学旅行があったのですが、このときは飛び入り参加のようなもので、準備期間にはいなかったので、親である私も息子も何が何だかよくわかりませんでしたが、今回はこうして事前の説明会にも出席して、少しその様子が見えて来ました。 この学校では、生徒は定期的に修学旅行に行くようですが、これは「学年ごと」の行事ではなく、クラスごとです。学校では「テーマ旅行」と呼ばれていて、あらかじめ設定した学習目的のための旅行ですが、クラスによってテーマが違うので、行き先もそれぞれ違います。 今回の目的地はハルツ地方。日程はなんと9日間!長い! 先生曰く、「一週間では徹底的にその土地のことを調べるのは無理だろうということになりました」。はあ、本格的なんですねぇ。。。 場所はとりあえず先生が決めるのですが、その後は全部、生徒達が自分達で計画するらしい。先生が目的地に関する文献を用意して、「さ、これを読んで何を調べたいか、考えなさい」と。 生徒達は本や地図を見ながら、そこはどういう場所なのか、そこで何ができるのか、何が学びたいかを考える。アイディアがたくさん出たら、どこまで実行可能か、実行するためには何が必要か、どんな準備をしておかなくてはいけないかなどを考える。その後は具体的に、どうやって行くのか、お金はいくらかかるのか、持って行く物は何かを検討する。 9日間、テント生活で完全自炊だそうです。献立は?買い出しは?予算は?全部、自分達で。 「子ども達、張り切って着々と準備を進めています。これだけ大がかりな旅行を計画、実行するんですから、いろんな能力が身につくし、自信がつきますよ〜」と、先生は仰っていました。 う〜ん、なんだかすごく楽しそう。子ども達が羨ましいよ〜。 私が小学生のとき、何かを決めるのに、ここまで自分たちの裁量に任されたことってあっただろうか。5年生のときに宿泊研修っていうのがあって、6年生で修学旅行がありましたけど、自分たちで決めたことなんて何一つなかったような...... 旅行の「しおり」なるものが配られて、そこに「何時に出発して、何時にどこそこへ着いて、何時に何をして、何時にご飯で」というようなことが細かく書かれていて、「持ち物」と書かれた紙に書いてある物を用意して(親が用意した)、予定通りの場所に予定通り連れて行かれたって感じ。 何を見たとか、何を聞いたとか、なんにも覚えてないっす。 「お前達の好きなように決めなさい」なんて、せいぜい「お楽しみ会」ぐらいのものだった気が.... 自主的に学ぶ、ということがモンテッソーリ教育の要ですから、それが修学旅行であっても、先生や保護者がお膳立てしないというのも頷けます。 自分で計画し、実行する喜びを味わって成長する機会になったらいいな〜と、子どもを送り出すのが楽しみで、楽しみで。
あと5日で、子ども達は夏休みです。
息子は「もう学校が終わっちゃうなんて、残念だよ〜」と言っています。学校が楽しくて楽しくて、夏休みなんてなくてもいいのにという気分らしいです。 今日は学校の夏祭り。久しぶりに息子の担任の先生とお会いして、学校での様子を聞くことができました。本人は学校が楽しいと言っているけど、ちゃんと勉強しているのかどうかよくわからないし、ドイツ語の遅れなど、気になるところもあるので、一度先生に聞いてみたいなと思っていたところでした。以下、先生との会話の一部です。 先生「きっかけさえ与えてあげればどんどんやる子です。この短期間に随分伸びたという感触がありますよ」 私「そうですか。それならよかったです。でも、決まったカリキュラムがないのに、伸びたとか伸びないとか、どうやって見るんですか」 先生「私達教師の仕事は、カリキュラムを組むことではありません。子ども達が何に興味を持ってどう取り組んでいるかを観察すること。そして、さらに発展していけるように道案内をすることです。息子さんにはいいお友達ができたので、刺激を与えられて発展していっているのがはっきりとわかります。それに、息子さんのお陰でクラスにもいい影響が出て来ました。そのいい例をお見せしたいので、教室に来てください」 教室に入って行くと、床の上にボール紙で作ったものが並べられていました。 「今、中世についてみんなで勉強しているんです。各自、自分で文献を読んで中世の都市について勉強し、みんなの前で発表することになっています。息子さんも一生懸命本を読んでいたんですが、他の生徒が発表用のレポートをまとめ出しても、まだじっと考えていて、なかなか書き出しませんでした。それで私、ボール紙を渡して、『模型作れば』って耳打ちしたんですよ。そうしたらパッと目が輝いて、すごい集中力で作り始めました。それがこれなんです」 「いいですか。これが城塞ですね。そしてこれが中世の武器や道具。大きさの比率が自然でしょう。頭の中で比率を考えながら作るのも算数です。そしてこうやって、作ったパーツを慎重に正しいポジションに並べて行きましたよ」 確かに、折り紙好きでレゴ好きの息子らしい作品ではあります。でも、ボール紙切って曲げて中世の都市のミニチュア作るって、ただの工作じゃないの? しかし先生は言いました。 「発表というと、読んだ本に書いてあったことをまとめてレポートにするというのが一般的なイメージですよね。でも、それだけでは不十分です。文章にまとめるには表面的な理解でも間に合いますが、こうして立体的に再現するには、本当によく理解していなければならないんです。」 「ここの部分までが、息子さんの作ったものですが、こっちは他の生徒達のです。息子さんがこれを作り始めたら、他の子も面白そう!と言って乗って来たんですよ。それで、ここが川、こっちが町とみんなで広げて行きました。一人の生徒のアイディアでクラス全体が活発になるのは大変いいことです」 そんなふうに言ってもらって嬉しかったです。 先生の話では、立体的に学習するのはとても身につくそうです。息子が転入する前のことですが、惑星について勉強したときにに生徒達が作ったという模型を見せてもらいました。生徒達がそれぞれの惑星の大きさの比率を計算し、作った模型を実際の距離と同じ比率で配置して行く。かなり大型の模型なので、教室の外に出てメジャーで地面を測りながら、地球はここ、火星はここというふうに、正しい位置に置いて行ったとか。 「こういうふうに勉強しなければならない、こういう順番でなければいけない、というのはないんですよ。お宅の息子さんには、パンを頭から齧るか、それともおしりから齧るか、自分で決められる能力があります。ですから心配せずに、好きなように勉強させてあげてください」 そうアドバイスされて帰って来ました。焦らずに見守っていけるでしょうか......
子ども達の通う学校の「卒業プロジェクト発表会」を見に行って来ました。
ここブランデンブルク州では、ギムナジウムの生徒は10年生(つまり日本で言う高校1年生)の学年末に「10年生統一試験」というものを受験しなくてはいけません。これは13年生の終わりに受ける大学入学資格統一試験(アビトゥア)とは別のもので、アビトゥアの予行練習も兼ねて最近導入されたそうです。 試験科目はドイツ語、数学、英語(もしくは他の外国語)の三つ。試験時間はドイツ語が150分(長いな!)、残る二教科はそれぞれ120分。モンテッソーリシューレの生徒達にも受験が義務づけられています。ポツダムのモンテッソーリシューレは現在のところ10年生までしかないので、大学に行きたい生徒は、11年生から別の高校に編入します。ですから、10年生で受けるこの試験は、言ってみれば卒業試験。 さらにモンテッソーリシューレでは、この三科目の他に「個人プロジェクト」というものがあるんだそうです。卒業生はそれぞれ自分が希望する分野で自由研究をおこないます。見に行ったのは、その発表会。 この日卒業生は、それぞれ校内の適当なスペースを与えられて、自分の展示ブースを設置します。昼間は在校生が順々に発表ブースを周り、展示を見たり発表者から説明を聞いたりする。そして夕方からは保護者が見に行く番です。 どんな風なのか興味津々で覗きに行ってみて、その雰囲気にまずちょっとびっくりしました。なんというかな。研究所の一般公開日のようでもあるし、見本市のようでもある。校内のいろんなところにあるブースに高校生がちょっとおめかしして立って、見学者が来るのを待っています。恥ずかしがっている子は見当たらず、展示の前を素通りしようとすると、「説明を聞いて行きませんか?」なんて声をかけられたりもしました。 発表の内容は、まさに様々でした。水力発電について発表した子、イヌイットの「かんじき」を研究し、それを自分で制作した子、女性の服飾史の展示をする子、物理の実験装置を作った子、バレエとブレイクダンスのコラボレーションを発表した男女コンビ、いろんな椅子を集めて来てそれぞれの特徴や歴史を説明した子。 この個人プロジェクト、まずどんなことがしたいか、計画書を作成して先生に提出し、アドバイスを仰ぐ。それから実際の作業をして、最後にこの発表をもって完結。そんなふうに生徒の一人が説明してくれました。 「文字の歴史」という研究をした生徒がいました。この子は階段の踊り場が発表スペースだったのですが、踊り場の壁に世界のいろんな文字を墨で書いて、その前に立って一つ一つについて説明していました。そして、お客さん一人一人にペンを渡して、階段の脇の壁に「記念のサインをしてください。永久保存されます」と言ってました。学校の壁に記念のサインを貰う、というのも彼のプロジェクトの一部で、ちゃんと学校の許可を得ているんだそう。 机の上には、作成したレポートが置いてありました。中を見てびっくり!こりゃ〜、大学のゼミレポートのレベルだよ〜。A4用紙にパソコン打ちで約30枚(ドイツ語の30枚ですから、かなりの文字数です)。ちゃんと目次も文献目録もあって、論文の形式になっているんです。形式だけじゃなく内容も、大人が読んでも勉強になるものでした。う〜ん、すごいっ! 10年生と言えば16歳。私、その年で論文の書き方なんて全然知りませんでしたよ。ドイツの学校では、そういうことも早くから教えるんでしょうか?文献目録を見たところ、参考にした資料は本約20冊。 「いい研究したね」と褒めたところ、本人は超張り切って、 「それはどうも。このテーマに興味あります?論文は一部、学校図書室に寄贈しますから、じっくり読んでみたかったら図書室で借りてくださいね。2、3日中には貸し出し可能になるように手配しときます」 だなんて、すっかり研究者気取りで言うので、思わず吹き出しそうになりましたけど。 客観的な仕事レベルで言うと、その生徒によってかなりの差はあったんですが、それぞれの生徒が自分の好きなテーマで一生懸命頑張ったのが伝わって来て、みんな、おめでとう!という気分です。 校庭にはテーブルや椅子が並べられ、手作りのケーキブッフェが用意されていて、ちょっとしたサマーパーティのようでした。ケーグラー校長は後ろにスリットの入った黒い麻のドレスで、他の先生もほぼみんなドレス姿で生徒達の晴れの日を祝っていました。 うちの子ども達が卒業するのはまだまだですが、最後の年をこんなふうに迎えるんだな〜と、ちょっと楽しみになりました。二人はどんなプロジェクトをやるんだろうな〜。 でもその前に、もうすぐ夏休み。子ども達との楽しい夏休みプロジェクトの季節で〜す! 去年の夏は「土のクレヨン作り」をやりました。その前の年は「ハチミツ作り体験プロジェクト」と「せっけんプロジェクト」。 今年は何をやろうかな〜。今、考えているのが「カプート村の植物&昆虫調査プロジェクト」。子ども達と村を歩いて、道端や森の中で見つけた植物や虫の名前や生態を調べ、その名前の学名/ドイツ語名/和名の対応表を作るつもりです。そのためにドイツ語の「植物見分け方辞典」「昆虫見分け方辞典」を買いました。学名がわかれば、ネットにそれを入れたらわりと簡単に和名が出て来ますね。子ども達が毎日いろんな虫や植物をとってきて、「これ何だ?日本語では何て言うんだ?」と図鑑を覗き込んでいるので、「そうだ。今年はこれで行こう!」と思いつきました。 そんな対応表作って、何かの役に立つのか?って聞かれると困るんだけど..... でも、ちょっとわくわくです。
慣れないドイツ車で息子の学校の送り迎えをしたら、すごく肩が凝ってしまいました。自転車でも通える距離なんですが、息子の自転車は引っ越し荷物の中。コンテナが到着するまでのあと2週間は送り迎えの毎日です。
授業は14:30まで。ポツダムのモンテッソーリシューレは全日制の学校です。学校が全日制なのは当たり前じゃないか、と日本にいる方は思うでしょうけれど、ドイツではそうではありません。ドイツの学校は基本的には半日制、つまりお昼で終わり。息子が以前通った公立小学校もそうでした。一年生はなんと11:40に授業が終わっていたため、息子は12時前に家に帰ってくるのでした。給食はありませんから、ご飯は家で食べます。 授業時間が短いだけでもびっくりでしたが、もっと驚いたことに、学校へ行ったと思ったらすぐに帰って来たということもしばしばありました。授業がよく休講になるのです。理由は先生が病気だからとか、暑すぎて授業にならないとか。何の前触れもなく、子どもは予定より早く家に帰って来ました。 これには困りましたね。ただでさえ短い「子どものいない時間」。この時間をあてにして、買い物やお役所や医者や美容院などへ行く予定を詰めているのです。仕事を持つ母親もいます。休講で授業時間が減ることはともかくとして、少なくとも預かると決めた時間内は責任を持って預かってくれないものかと思ったものでした。日本では子どものいない間に専業主婦のお母さんたちが一緒にランチをすることもあるなんて聞いて、「いいなあ」と密かに羨んだりしたことも。 「日本では子どもは午後3時くらいまでは学校にいます」と言ったら、 「そんなに長時間勉強させられるなんて可愛そうね」と同情する人が年配のドイツ人には多かったですが、同年代のお母さん達の中には、 「いいわね。ドイツも学校を全日制にすべきよ」と言う人も結構いました。実際、ドイツでは全日制の学校を作ろうという動きが高まっているようです。 ですから、今の学校が全日制で嬉しい。もちろん、単に拘束時間を長くするというだけなら、子ども達が可愛そうかもしれませんが、内容が充実しているなら、早く帰って来てゲームボーイばかりに興じているよりいいと思うので。 息子が通っている学校では、放課後にいろいろなアクティビティが用意されていて、好きな活動に参加できるようになっています。日本で言うと「部活」ということになるでしょうか。しかし、一つの部に所属して毎日練習というのではなく、月曜はこれ、木曜はあれ、というふうに複数選んで半年間継続して受講する、むしろ習い事に近い感じのようです。 資料によると、現在あるコースは コーラス、パソコン、自転車組み立て、映画/ビデオ撮影、写真、園芸/ビオトープ造り、楽器、陶芸、料理、美術、サイエンス、チェス、学校新聞、HP作り、スポーツ(体操、ダンス、武道、カヌー、フェンシング、水泳)、外国語(フランス語、スペイン語)、演劇、サーカス、カヌー作り、メソッドトレーニング、工芸、ヨーガ、男の子クラブ、女の子クラブ 「メソッドトレーニング」というのが内容不明ですが、結構いろいろあるなと思います。「サーカス」って、どんなことやるんでしょう。。。。 今学期は中途半端なので、息子が参加するのは来学期からになりますが、彼の好きそうなものがたくさん。これらのコースは、学校の先生が受け持つものもありますが、多くは外部の組織から先生が出張でやってきます。ピアノの先生も学校に来てくれるそうです。生徒達は最長17:00まで、学校にいられます。(強制ではない) 子ども達の習い事の送り迎えであっちへ行ったりこっちへ行ったりしなくて済むと思うと、ホッとします。 もちろん、放課後を習い事で埋め尽くさなければならないということはありませんし、特別何も習わなくても、自由に遊ぶのだっていい。むしろ、自由に遊ぶ時間がたくさんあったほうがいいと思う。けれど、どうやらドイツも、放課後に近所の子ども同士が往来に集まって遊ぶ時代は終わり、複数の習い事を母親がスケジュール管理するようになりつつあるようです。先日来た親友も、「子どもの習い事オーガナイズでストレスが溜まっちゃって。。。」とぼやいていました。 ドイツの学校も、これからだんだん変わって行くのかもしれません。
ドイツに着いて三日目の朝、息子が
「今日から学校行く」 と言い出しました。とは言ってもまだみんな時差ぼけがひどいし、学校に行かせるにも何の準備もしていません。とりあえずランドセルだけは手荷物で持って来たので、筆入れとサンドイッチは入れたけど、他には何もありません。ドイツでは普通、学校では土足ですが、息子の通うモンテッソーリシューレでは床に座って勉強することが多いので、生徒達は上履きを持って来ていたようでした。しかし、まだ上履きを用意していません。仕方ないのでJAL機内で貰ったスリッパを持たせました。笑われるかな〜とちょっと心配でしたけど。 家族全員で学校まで行き、校長先生に挨拶した後、教頭先生に案内されて教室へ行きました。担任の先生はとても感じのよさそうな女性二人です。 「今日からよろしくお願いします。持ち物などよくわからなかったので、何も持って来ていないんですが。。。」 「別に何も要りませんよ。勉強に必要なものは全部学校にありますから」 「はぁ」 今日はとりあえずいいですよってことだよね?息子に日本語で「後で先生に必要な物を紙に書いてもらってね」と言い、その場を離れました。 次に教頭先生が給食室を見せてくれました。給食室というよりカフェというか、そんな感じです。給食のおばさんの説明によると、メニューは毎日二種類あって好きなほうを選べるんだそう。前の日に献立表を見て、どちらも気に入らない場合には電話で「明日給食要りません」と連絡し、お弁当を持って来てもOK。お昼前にお腹が空いてしまう子もいるので、毎朝10時頃には焼きたてのバゲット、ブレーツェル、クロワッサンが買えるように準備するそうです。その時間もオーブンからいい香りが立ち上っていました。 私たちは一度家に帰り、授業の終わる14時30分に再び学校へ迎えに行きました。普通ドイツでは学校は午前中で終わりで、お昼ご飯は家に帰って食べますから、このモンテッソーリシューレはちょっと例外です。 新しい学校での第一日目。息子はどう過ごしただろうかとドキドキしながら校舎に入って行ったのですが、息子は私を見るなり、 「お母さん。ぼく、これからこの友達の家に遊びに行きたいんだけどいい?」 え?もうお友達が?息子の横には肩まで届く長い髪と片耳にピアスをした子が立っています。女の子? 「お名前は?」と聞くと「フィリップです」。男の子なのね。 しかし息子は彼を女の子だと思っている様子。 「男の子のわけないよ」と日本語で私に耳打ち。長髪でピアスの男の子というのは、息子にはありえなかったようです。名前からして男の子だ、と私が言うと、 「男でも女でもどっちでもいいや。行ってくるね。これ、電話番号。後でここに電話して!」 サッサと行ってしまいました。 廊下に残った私たちに担任の先生達が近づいて来たので、 「今日はどんな様子だったでしょうか」と聞いてみると、 先生1「すごーく元気で、まるで前からずっとクラスにいたみたいでしたよ」 先生2「何にでも興味を示す子ですね〜。スポンジのようにどんどん吸収しますね」 先生1「そうそう。今日は算数の教材を使って勉強していましたよ。六年生よりも難しいことにチャレンジしてました」 先生2「学年は関係ありませんからね。やりたければどんどんやっていいんです」 二人ともニコニコしています。息子が元気に過ごせたのならよかったと一安心。 私「ところで、時間割ってどうなっているんでしょうか」 先生1「ああ、時間割ですね。ハイ、これ」 手渡された紙を見て、目が点になりました。 月 1〜4時間目 FA 5〜6時間目 体育 火 1〜6時間目 FA 5〜6時間目 英語 水 1〜4時間目 FA 5時間目 体育 6時間目 FA 木 1〜4時間目 FA 5〜6時間目 英語 金 1〜6時間目 FA 私「何ですか、このFAって?」 先生2「Freie Arbeit(自由学習)です」 私「全部自由なんですか」 先生1「ほとんど自由ですよ」 子どもが自主的に勉強することを重要視する学校だとは知っていたけど、さすがに面食らいます。 夜、フィリップ君の家から帰って来た息子に学校はどうだったと聞くと、 「すごーく楽しかった!!みんながね、○○は日本語でなんて言うのとか、日本の文字書いて〜とか、俺ラーメン食ったことあるよ、あれうまいよな〜とか、ベルリンに超うまい寿司屋あるぜとか、いろいろ言ってくるんだよ。みんな優しかったよ!」 それはよかった。 私「ところでスリッパで大丈夫だったかい?なるべく早く上履き買ってあげるからね」 息子「ああ、別にいいよ。誰もスリッパのことなんて気にしてなかったよ」 私「持ち物のこと、先生に聞いた?」 息子「聞いたけど、はっきり言わなかったよ」 私「教科書は?」 息子「さあ?何も貰わなかったけど。。。」 私「宿題は?」 息子「ないみたいだよ」 日本の学校と違い、一枚のお便りももらってきませんから、何がどうなっているんだかさっぱりわかりません。普通の学校と違うということだけは確か。これから少しづつわかってくることと思いますが、まあとりあえずは息子が楽しく通えそうな学校のようなのでそれが何よりです。 どんなふうに変わった学校なのか、おいおい報告したいと思います。
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